2018年08月12日

「遠雷」 村上紗由里

今回は村上紗由里さんの「遠雷」を紹介します。
村上紗由里さんの3rdミニアルバム。

反戦。

「遠雷」という楽曲にはこの大きなテーマが隠れている。

とはいえ、言葉として"反戦"やそれを直接連想させる言葉は無い。
並んでいるのは普遍的な言葉ばかりだ。

傷つけあいたくない。
離れ離れになりたくない。

景色や空の色の愛おしさ。
今ここにある幸せの尊さ。

でもこれらが一つのきっかけで壊れてしまうことの怖さが、詩の奥に潜んでいる。

その言葉を響かせる凛とした歌声を聴いていると、その奥に秘められた感情までもが伝わってきて、自然と惹きこまれてしまっている。
それほどまでにこの楽曲が持つ普遍的な大きなテーマは、聴く人の心を揺さぶってくる。

特に最後のサビの盛り上がり方からAメロに戻る展開にはグッときってしまうだろう。

また、続く「風鈴の音色」という楽曲も注目してもらいたい。

こちらも戦争の陰が潜んでいるのだが、見えるのは回想と弔い。
戦争によって失われた景色とそこに生きていた人達の想いを、風に揺れる風鈴の姿から想像させる。

歌い方によってはとても悲しい歌にもなりそうだが、村上さんの真っ直ぐな歌い方で響かせると、情景と感情を静かに見せてくれるのが印象的だ。

今回のミニアルバムはそれぞれの楽曲が非常に個性的かつ存在感のある楽曲で、聴きごたえのある一枚になっている。
ここでは2曲を中心に取り上げたが、一曲ごとに見せる表情に惹きこまれてしまうだろう。

ちなみに、こちらで「遠雷」が視聴できます。

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2018年08月05日

「Crosswalk/リワインド」 鈴木みのり

今回は鈴木みのりさんの「Crosswalk/リワインド」を紹介します。
TVアニメ『あまんちゅ!〜あどばんす〜』OPテーマ、TVアニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』EDテーマの両A面シングル。

このCD「あまんちゅ!盤」と「さくら盤」という2種類のパッケージがある。
両A面のそれぞれがアニメのタイアップとなっていて、どちらが先にあるかの差(正確にはカップリング曲も違う)なのだが、「あまんちゅ!盤」をここでは取り上げたい。

というのも、「Crosswalk」がとんでもない名曲だからだ。

始まりの静かなメロが映し出す日常。
でも少しだけアンニュイな気持ちが見え隠れしていることに気づく。

一緒にいるからこその楽しさと、一緒にいるからこそ離れることの寂しさ。

明日も明後日も一緒にいたい。
そんな真っ直ぐな想いと願いをぶつけるサビは圧巻。

感情を高ぶらせて歌いあげる声、メロディの進行、切なさと壮大さをストリングスの音色が相まって、とんでもなくエモーショナルな仕上がりになっている。

これだけでも十分なほど素晴らしいのだが、感情の高まりは最後のサビで最高潮に達し、聴き手の心を最後の最後まで揺さぶってくるのがまた素晴らしい。

ここまで「Crosswalk」について熱く語ってしまっているが、「リワインド」も忘れてはいけない。

こちらも青春感のある楽曲だが、もっとキラキラした印象が強い。

デジタルな音色に可愛らしい歌い方。
コーラスの入り方もどこか夢のような浮遊感があり、聴いていると夢見心地になるよう。

「Crosswalk」と「リワインド」。
それぞれタイプは違うが、彼女の持つ魅力を存分に感じることができる一枚だ。

ちなみに、こちらから「Crosswalk」が視聴できます。

posted by micarosu at 22:30| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月04日

Moonlight J-POP 18年5月篇

今回は2018年5月度のマイベストを紹介します。

投票には参加しておりませんが、引き続きサブコンもよろしくお願いいたします。
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2018年07月29日

「何色の何」 空想委員会

今回は空想委員会の「何色の何」を紹介します。
空想委員会のメジャー3rd EP。

音楽×アニメ。

今回三浦さんが原作を担当した短編アニメーション「何色の何」。
その挿入歌を収録したのが今作だ。

楽曲の話をする前に、アニメのほうの話をしてみよう。

絵描きの"かなた"と、その絵を好きだと言ってくれた"遥"。
互いに好きな気持ちを持っていたものの、その方向が少しずつずれていき、最後には離れていってしまう。

その物語を支えつつ、色を与えてくれるのが空想委員会の音楽だ。

原作も楽曲も作成しているだけのことはあり、その親和性の高さは圧倒的。
この流れでこういう音楽が来て欲しいというところを的確についていのが印象的だった。

ここで改めてEP作品の「何色の何」を聴いてみると、不思議なことにアニメで観た情景が鮮明に映し出されてくる。

先にアニメを観たからということも少なからず影響はしているものの、実のところそれ以上の情景が浮かんでくる感じだ。

「宛先不明と再配達」はその最たるもので、柔らかなギターの音色から始まり、一つ一つの言葉を丁寧にメロディに乗せていく。

その言葉には"ありがとう"と"ごめんなさい"が混在していて、ずっと迷い、さ迷いながら生きているのだけど、それらを含めて君に想いを届けたいという真っ直ぐな気持ちへ行き着くのが心地良く響く。

同じく挿入歌である「マイヒーロー」は、少しだけ内向きの感情が前に出ている。

君の存在が強く輝いていることで、自分が相対的に弱い存在であるように思い込んでしまっている。
それでもその輝きに魅せられて、少しずつ強く生きていこうとする姿を描いていて、優しいメロディと歌声が全てを包み込んでくれるのを聴くと、どうしてもグッときてしまう。

挿入歌として使われているのはこの2曲だけなのだが、残りの2曲も物語を彩っている。

「ベクトル」は二人の日々の断片と感情の揺れ動きが表現された、ドラマ性と疾走感を持った格好良い楽曲。

明確にその言葉は出てきてはいないが、アニメ本編で何度も出てくる「何色の何?」という言葉が二人を繋ぐために必要なものだったことが滲むように伝わってくる。

「エール」は"遥"の気持ちを体現したような楽曲。

一番近くにいるからこそわかる負の感情に対して、何かをしてあげたいという真っ直ぐな想いと、本当に届いているのか不安になる想いが溶け合わずに渦を巻いている。
それでも絶対届くはずだと純粋に前を向こうとする姿には、格好良さと強さを感じさせてくれる。

曲順で言えばこの後に「マイヒーロー」が続くので、このマイヒーローというのは"かなた"に対する"遥"のことだとわかる。
こういう気付きが生まれるのは、アニメと音楽の融合という中で、最高の形ではないだろうか。

音楽を届けるために生まれたアニメが、音楽を更に彩っていく。

空想委員会が仕掛けたこのプロジェクトの素晴らしさを是非感じてみて欲しい。

ちなみに、こちらから短編アニメーション「何色の何」が視聴できます。

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2018年07月22日

「TOP OF THE WORLD」 FUNKIST & 二人目のジャイアン

今回はFUNKIST & 二人目のジャイアンの「TOP OF THE WORLD」を紹介します。
FUNKISTと二人目のジャイアンによるスプリットミニアルバム。

熱量と格好良さ。
聴いた瞬間から別格だった。

FUNKISTと二人目のジャイアンという生粋のライブバンドがタッグを組んだ今回の作品。

"Get a TOP OF THE WORLD"
歌いだしから彼らがタッグを組んだ意味を全力でぶつけてくる。

両バンドともメロディの良さは折り紙つきで、そこにFUNKISTと泥臭さと繊細さ、二人目のジャイアンの華やかさと躍動感が加わることで、唯一無二の楽曲に仕上がっている。

元々この楽曲メインのシングルとしてリリースする予定だったようだが、思っていた以上に良い楽曲が生まれたということでミニアルバムになったこともあり、他の楽曲も非常に聴き応えがある。

ホーンの音色が残す余韻が心地良い名バラード「#君に届け」に、それぞれのバンドが音色の世界でバトルを繰り広げるような焦燥感と躍動感を持ったインスト曲「Asian Sunrise」。

わずか2分ちょっとの時間に彼らの魅力をギュッと詰め込んだ華やかな「Never Give Up」に、少し力を抜いたようなゆるさの中でも魅せるところは魅せる「オシャダンのテーマ」。

個性と個性がぶつかりあうことでできた名盤。
充実すぎる内容で、もっと聴きたいと思わせてくれるほどの一枚だ。

ちなみに、こちらで「TOP OF THE WORLD」が視聴できます。

posted by micarosu at 23:44| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする