2017年10月29日

「孤独のハイエナ」 久瀬いくみ

今回は久瀬いくみさんの「孤独のハイエナ」を紹介します。
久瀬いくみさんの1stミニアルバム。

一声を聴いただけで惹き込まれてしまった。
「君と、君が誰だろうと」を聴いた時のことだ。

イントロのギターの音色の混沌さと張り詰めた空気感に、孤独を感じるような凛とした歌声。
その世界観だけでも酔いしれてしまうのだが、サビではそれを払拭するように微かな光を感じるような展開で更に聴く人の心を離さない。

声の感じからはこのようなバラードのほうが感情が滲み出て良いと勝手に思ったのだが、アルバムを聴き進めるとそんな思いは一瞬で吹き飛ぶ。

タイトルからインパクトのある「人生の支配者」や「束縛」のような疾走感溢れるロックナンバーでは力強く歌い上げていて、音の力強さと共に強い意思を熱く響かせてくれるのが印象的。

タイトル曲でもある「孤独なハイエナ」は速いテンポではないのだが、その中で激しく感情をぶつけるように歌い上げている。
この曲もまた強く印象を残す楽曲だ。

彼女の歌声は唯一無二だ。
歌声そのものに孤独感を持っているようでありながら、心地良い余韻も残してくれる。

その歌声に感情を響かせれば、とんでもない存在感となる。
全6曲ではあるが、それを強く感じた。

このミニアルバムでその歌声に酔いしれてみてほしい。

ちなみに、こちらでアルバムのクロスフェードが視聴できます。

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2017年10月22日

「SOUND of SURPRISE」 JIGGER'S SON

今回はJIGGER'S SONの「SOUND of SURPRISE」を紹介します。
JIGGER'S SONの19年ぶりのアルバム。

1998年3月リリースの「バランス」。
JIGGER'S SONのオリジナルアルバムとしてはこれが最後だった。

その後、バンドは活動休止し、坂本サトルさんはソロ活動を開始。
2001年にバンドは一度解散するが、2012年の復活ライブからシングル「バトン」、「メリーゴーランド」を発売。

そして遂に。
いや、まさかの19年ぶりとなるオリジナルアルバムのリリース。

こんな日が来るなんて夢にも思っていなかった。

収録曲はシングル2枚から「バトン」、「大丈夫(2012 ver.)」、「マスター YAMASHITA」、「メリーゴーランド」、「再会20」の5曲と、新曲6曲、坂本サトルさんソロ名義の名曲「天使達の歌」のセルフカバーの全12曲。

アルバムの始まりはシングルになっていた「メリーゴーランド」。
復活後のシングルの中でも特にJIGGER'S SONらしさが出ていたのはこの楽曲。

良い意味で力が抜けているというか、伸び伸びと音を鳴らしているのが伝わってきて、聴いているとJIGGER'S SONが帰ってきたことを実感できる。

「Carcharodon megalodon」が疾走感を格好良く決めてくれたかと思えば、「バンジー」の切なさが滲み出るような楽曲に涙腺を緩ませ、「バトン」という命のバトンを繋いでいること歌った楽曲がギュッと心を掴んで離さない。

この4曲の流れは素晴らしいの一言だ。

ここからはもう少し遊び心のある楽曲が顔を覗かせる。
中でも印象的なのは「最新式を買ってやる」。

作詞作曲は基本的に坂本サトルさんなのだが、この楽曲は渡辺洋一さんとの共作曲。
そしてボーカルが坂本昌人さんという、JIGGER'S SONのアルバムだからこそできた一曲。

素朴なメロディと歌詞が昌人さんの歌声とも合っていて、新鮮でありながらも安心感と心地良さも合わせ持っているのが面白い。

ここから続く新曲「銀河県道999」、「A.I. ジョー」、「通り雨」もJIGGER'S SONらしさに遊び心と円熟味が加わって、今までの楽曲よりも楽しく聴かせてくれる。

そこでふとアルバムのタイトル「SOUND of SURPRISE」を思い出した。

直訳すれば驚きの音。
高音質とも捉えることができるが、ここでは今までを凌駕するほど驚きの良い音楽を奏でているということなのと思った。

解散していた期間も長いのに、今までの作品の中でも今作が一番良いのではなないかと思えるほど素晴らしい作品になっていた。

それは紆余曲折を経たからこそ届いた場所。
全ての出来事がこの素晴らしい一枚を完成させるためにあったのだとすれば、非常に感慨深い。

JIGGER'S SON完全復活を告げるアルバム。
そして最高の一枚だ。

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2017年10月15日

「SIREN」 広沢タダシ

今回は広沢タダシさんの「SIREN」を紹介します。
広沢タダシさんのニューアルバム。

アルバムを聴き始めた瞬間に衝撃が走った。
その理由は一曲目に収録されている「ふるさと」だ。

不穏なオルガンの音色から始まる深く壮大な世界。
あまりにも深くて聴いているだけで息を呑んでしまうほどだが、そこを生きるメロディの懐かしさは不思議と安心感を与えてくれる。

"ふるさとの宇宙"
まさに詩に綴られているこの言葉を体現したような音色とメロディ。

正直言葉だけで表現するのは難しいほど素晴らしい名曲。
この楽曲からアルバムは始まっていく。

アルバムを聴き進めていくとわかるのだが、この「ふるさと」も含め綴られた言葉の数は少ない。
だが、歌詞の一文一文が非常に深く重みのあるものになっていて、どこか一箇所だけを切り取ってみてもその想いの強さを感じることが出来る。

「Siren」のイヤホンの中の世界に閉じこもりすぎていることへ警鐘であったり、Twitterのように言葉をいくつも並べながら、大切なものを忘れてないで欲しいと願う「Twitter in the Fog」、全英語詩でありながら"3.11"という言葉に思わずハッとなる「3.11」などはその代表格。

詩のことを中心書いたが、広沢タダシさんといえば珠玉のメロディメーカー。
「Blue Car」や「Looking Down on the City from the Rooftop」、「Just like your Place」など、落ち着いた世界観で魅せる美しいメロディは今作でも健在なので安心してほしい。

リリース毎に深みを増していく広沢タダシさんだが、今作は桁違いに深さと重みが増した。
それでいてどこか懐かしく安心感のあるメロディを紡ぐことにより、聴く人の心に訴えかけるアルバム。

広沢タダシさんからのSIREN(警鐘)を感じてみて欲しい。

ちなみに、下記リンクから各楽曲が視聴できます。
ふるさと
SIREN

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2017年10月08日

「北極星」 藤巻亮太

今回は藤巻亮太さんの「北極星」を紹介します。
藤巻亮太さんの3rdアルバム。

今作を聴いたとき、レミオロメンが戻ってきた感じが強く印象に残った。

レミオロメンのボーカルなのだから当たり前じゃないかと思うかもしれない。
だが、これまでのソロ2作がレミオロメンとは違い、ソロでなければできないものを追っていたのだ。

1作目「オオカミ青年」はレミオロメンでは出してこなかった、個人的に奥に秘めた感情を剥き出しにしてきた。
2作目「日日是好日」はもっと広い意味で良い曲を作ろうとしたことで、楽曲の雰囲気も含めた幅を広げてきた。

そして今作。
全体的に自然や風景を感じる言葉を中心におきながら、前へ進もうとする想いや、君を想う気持ちを鮮やかに描いている。

メロディもソロ2作に比べるとシンプルというより原点回帰という感じがあり、耳なじみが良く懐かしさを感じさせる。

この懐かしさこそレミオロメン感なのだが、それにはもう一つ大きな理由がある。

クレジットを見るとわかるのだが、レミオロメンの前田啓介さん、神宮司治さんがそれぞれ別の楽曲ではあるが参加している。

中でも神宮司さんがドラムを叩いている「優しい星」、「紙飛行機」はレミオロメン独特の疾走感を持った楽曲に仕上がっていて、聴いていると思わずにやけてしまう。

とはいえ、これはレミオロメンのアルバムではない。
藤巻亮太さんという一人の作品として今届けたい楽曲がこの形となっただけ。

文字通り集大成というべきアルバム。
優しいけど真っ直ぐで、壮大だけど繊細な名盤。

ちなみに、こちらでアルバムのトレーラーが視聴できます。

posted by micarosu at 21:26| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

「街路樹」 馬場俊英

今回は馬場俊英さんの「街路樹」を紹介します。
通算17枚目のオリジナルアルバム。

馬場さんの綴る言葉に何度無く元気付けられてきた。
今作では真っ直ぐな想いはそのままに、少し落ち着いた大人の余裕と、優雅さを兼ね備えたアルバムになっている。

表題曲の「街路樹」は馬場さんらしさ全開の楽曲。

周りを見渡したときにふと見えた景色。
人や街、自然や空気。

いつも同じようで何かが違う。
そんな中で日常を過ごしていることを感じつつ、自分も進んでいこうという想いをしみじみ感じさせる。

アルバムにはシチュエーションを変えた「街路樹 Scene2」もあるので、そちらと対比してみるのも楽しい。

アルバムとなるとシングルの表題曲ではお目にかかれないような曲も多数あるのだが、中でも「おはようございますの歌」が秀逸。

新しい生活を応援する歌詞と、思わず踊りだしたくなるようなリズムで気持ちが高まってくる。
背中を押してくれるというよりは一緒に歩んでくれるような安心感のある応援歌だ。

応援歌は今作もたくさん収められており、流れるようなメロディと心地良い音色の「真面目に適当にいい加減に、でも真剣に」や、重厚なイントロから徐々に光を感じさせる「アスファルトに咲く花」などもあり、きっと自分に合う応援歌があると思う。

また、「プロポーズをもう一度」にも触れておきたい。
長い間連れ添った妻へ贈るプロポーズの言葉。

といっても大袈裟なことを言っているわけではなく、あえて普通のことを、でも大切に思っていることをそこに込めて歌う。
本当にこんなことを言ったら照れくさいのだろうが、馬場さんが歌にして届けてくれることで、なんともロマンチックなラブソングに仕上がっている。

日常と愛、そして応援。
今までの馬場さんらしさに円熟味が加わったアルバム。

まさに街路樹のようにいつも見守ってくれる一枚になっている。

ちなみに、こちらでアルバムのトレーラー映像が視聴できます。

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