2020年04月19日

「燦燦 -SUN SAN-」 平川美香

今回は平川美香さんの「燦燦 -SUN SAN-」を紹介します。

燦燦と輝く太陽のような歌。
それを確かに感じることになるだろう。

平川美香さん初のフルアルバム「燦燦 -SUN SAN-」。

この曲で核になる2曲の話を最初にしよう。

一つは「ダイナミック琉球」。

沖縄の名曲のカバーなのだが、大地に響くような力強い歌声と大自然と壮大さを感じさせる音。
ダイナミックの名の通り、迫力とともに想いがガツンと響いてくるのがとても心地よい。

もう一つは「想い唄〜風にのせて〜」。

彼女の代表曲とも言える曲で、繊細な音色の中に見せる寂しさと勇気。
帰る場所があるという強さを胸に、前に踏み出そうとする真っ直ぐな想いが響いてくる。

この2曲を聴くとわかると思うのだが、とにかく歌声が力強く真っ直ぐだ。
言葉とメロディに存在感のあるこの2曲はその良さが際立っている。

かと言って、この路線ばかりでは無いのが彼女の魅力でもある。

「サマー!さまぁー!SUMMER!」では軽快で底抜けな明るさを見せてくれるし、「天使にデブソングを」ではユニークな詩を太い声で聴かせたり、「minori」ではスカのようなリズムに乗せながら反骨精神をコミカルに聴かせてくれたり、歌声の魅力を色んな形で聴かせてくれる。

ただ、どれも暗さは無くて、最終的には前を向いた言葉が並ぶ。
だから聴き終えた時に清々しい気持ちにさせてくれる。

こういうところが"燦燦と輝く太陽のような歌"と書いた神髄。
暗くなりがちな今の時代に、必要な輝きがここにはある。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
ダイナミック琉球
想い唄〜風にのせて〜

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2020年04月12日

「Kitrist」 Kitri

今回はKitriの「Kitrist」を紹介します。

"ピアノ連弾ボーカルユニット"

この言葉を聞くと硬派というかクラシック寄りのイメージを抱くかもしれないが、Kitriの場合は違う。
クラシックな部分を軸に置きつつも、ポップさロックな部分を前面に出している曲があったりするなど、その幅はとても広い。

1st EP「Primo」に収められていた「羅針鳥」は、音が広げる不穏な世界観に立ち向かうような儚くも芯のある歌声とメロディが印象的だった。

かと思えば「さよなら、涙目」では生活に寄り添うような音、言い換えれば暮らしのBGMになるような楽曲を聴かせたり、「鏡」のような童謡のような物語を感じる音色だったり。

「雨上がり」では馴染みやすさ優しいメロディを聴かせつつ、「青空カケル」では息の合ったハーモニーを聴かせてくれたりする。

中でも印象を強く残したのが、アルバムのリード曲でもある「Akari」。

イントロから跳ねるようなピアノの音色が軽快さ感じさせつつも、どこまでも淡々と進んで行く音色には何故か虚無も映す。
この音色が示すのは繰り返される無常。

始まりと終わり。
晴れと雨。
今日と明日。

それを悲しみで終わらせるのではなく、常に新しい光があると響かせることで、一筋の希望を感じさせるのが凄い。

ピアノの音色、アレンジ、二人のハーモニー。
どれか一つでも欠けたら生まれなかったであろう名曲だ。

この曲を聴いたら、Kitriの更なる可能性を感じずにはいられないだろう。

Kitriが魅せる音世界はまだ始まったばかりだ。

ちなみに、こちらから「Akari」が視聴できます。

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2020年04月05日

「彗星吟遊」 ももすももす

今回はももすももすさんの「彗星吟遊」を紹介します。

なんか凄いものを聴いてしまった感じだ。

抽象的なようで核を捉えた言葉の紡ぎ方の世界観。
ギターロックを中心の置きつつ、ポップミュージックとしての一面も光る。

シングル「木馬」、「アネクドット」と常に新しい世界観で魅せてくれた彼女だが、このアルバムで益々世界観を言い表すのが難しくなった。
そのくらい、ロックシーンからもポップシーンからも新しい世界の始まりを聴かせてくれたような満足感とワクワク感が詰まっていた。

そんなアルバムは始まりから強烈で、「火星よ、こんにちは」は力強いギターロックを鳴らしながらも、どこか漂う浮遊感から宇宙のような壮大さを感じさせる。

これで耳を掴まれたところに、「アネクドット」、「木馬」とシングル曲を畳みかけてくるのだから、一気にももすももすさんの世界観の虜になってしまう。

骨太の「Saboten」を挟み、アルバムの中でも疾走感とグルーブ感が心地よい「桜の刺繍」へと流れ、バラード曲の「シャボン」で一旦落ち着きを見せる。

「隕石」から後半が始まるのだが、隕石の名の通りいきなり突き落とされる。

"大きな隕石が落ちてきてさようなら"の言葉を聴いたときは一体どうなることやらと思ったが、これは究極というか極限のラブソング。
ここで死んだら最後の恋人が自分であるというかなり病んでいる詩なのだが、その吹っ切れた想いに清々しさを感じる。

「Confession」、「シクラメン」、「プルシアンブルー」とシングルのカップリング曲で異なる魅力を聴かせ、配信限定でリリースしていた「うさぎの耳」へ。

「うさぎの耳」は「木馬」より先の配信なので、この曲は一つの原点。

物語性や文学性が高い他の楽曲と比べると、自分の中の気持ちを全面に押し出している感じが強い。
あなたが聴いている曲を聴きたいという表現に"うさぎの耳が欲しい"という言葉を選んでいるあたりから、表現力の広さの片鱗が見える。

最後の「ハネムーン」はカントリー調で、吟遊詩人を彷彿とさせるような楽しい音楽。
この曲はアウトロの構成が印象的で、一度終わったかと思った後にまた始まる流れは、アルバムをリピートして聴く伏線とも言える。

この「ハネムーン」と「火星よ、こんにちは」はセットに近い感じだ。

アルバムタイトルの「彗星」、宇宙の要素を含んだ「火星よ、こんにちは」で始まり、「吟遊」詩人の要素を含んだ「ハネムーン」で終わる。
そのスケールの大きな旅の中には、上述した様々な楽曲が並べられているのだから、とにかく楽しい。

それでいて新しさを感じる要素も多いのだから凄い。

これは新しい世界だ。
繰り返しになってしまうが、ロックシーンからもポップシーンからも新しい世界の始まりを聴かせてくれたような満足感とワクワク感がここには詰まっている。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
桜の刺繍
隕石

posted by micarosu at 22:28| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月29日

「わかってたまるか」 ダニーバグ

今回はダニーバグの「わかってたまるか」を紹介します。

ギターロックで響かせる熱情。

そこにあるのは、反骨心。
「わかってたまるか」というタイトルからもそれが伝わってくる。

だが、そんな事はいいからまずは聴いてくれと言いたい。
「雨の日の少年」をまずは聴いてくれと。

イントロの歪んだギターの音色から一気に耳をつかまれてしまうが、基本は真っ直ぐに一音一音を力強く奏でているのが印象的。

メロディラインも非常に真っ直ぐで、言葉の一つ一つに込めた想いが滲み出るように伝わる。

雨という言葉に悲しさ涙、やるせなさを映しつつ、雨上がりに"ニヤける少年"でありたいとする表現は強い。
今の状況を受け止めつつも、決して諦めず、最後には笑ってやるという強い想いが溢れている。

この言葉の強さを、吐き出すように歌う声が想いを何倍にも深め、高めていく。
こういう反骨心を歌うギターロックはやはり格好良い。

最近の音楽に足りなかった熱がこの歌にはあった。

この曲を知って、このEP作品を聴くに至ったわけだが、他の曲も負けない熱で溢れている。

「明日がやってくる」の"アンテナ立てて悪いニュースだけ受け取っている"のように負を抱え込んでしまいがちなところとか、「my list」で"time is over"と既に終わってしまったような現状を俯瞰しつつも、そこに抗ってやろうする姿が最終的には見えてくる。

"負け犬バンド"
彼らのプロフィールにはその言葉がある。
だが、その言葉の前には"無敵になった"が付いている。

負けた者達が立ち上がった時、それは無敵の強さを纏った存在になる。
彼らの歌はまさにそれだ。

繰り返しになってしまうが、まずは聴いてみ欲しい。
彼らの持つ熱と強さがわかるはずだ。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
退屈ハイウェイ
明日がやってくる
雨の日の少年
ぼくらのゲーム
my list
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2020年03月22日

「a Day」 駒形友梨

今回は駒形友梨さんの「a Day」を紹介します。

3rdミニアルバムは日中をテーマにしたコンセプトアルバム。

インスト曲「a Day〜and the light comes〜」の凛とした浮遊感からの始まりで、夢から醒めて朝が始まる空気を感じさせ、「クロワッサン」から一日が始まっていく。

この「クロワッサン」の雰囲気からは軽快な目覚めを感じるのだが、本人作詞の言葉を見てみるとまどろみの雰囲気があったり、朝起きてクロワッサンを優雅に食べているのだけど、ちょっとのんびりしすぎて駅までダッシュをしていたり、ほんわかするような朝が描かれているのが楽しい。

グルーブ感の心地よい「On My Way」では爽やかさと格好良さが全開。
今日一日頑張ろうという気持ちにさせれてくれるような一曲で、このアルバムのリード曲になっているのも頷ける。

ここに続く「シングデイズ」も軽快だ。
まさに歌ってしまいたくなるような心躍る今日への期待と希望が気持ちを前へ前へと押し出す。

今日という一日も少しずつ時間が流れてきて、「call my today」でこの時間の愛おしさを感じ、「今日は」では今日を振り返って明日が来ることに少し不安になったり、一日の中で見せる色んな感情にふと心が重なる。

それでも来る明日に向かうために「ばいばい」で今日への区切りをつけていることで、アルバムの最後に印象的な余韻を残す。
この曲はANTENA(アンテナ)の渡辺諒さんが作詞作曲をしていることもあってか、他の曲と少し雰囲気が違い、より文学的、哲学的に今日という日を振り返っているのが興味深い。

今日が始まり、終わる。
そんな今日のための音楽は、毎日でも聴ける日常を彩る音楽にもなる。

今日という日の始まりにも終わりにも合う音楽が詰まった一枚です。

ちなみに、こちらで「On My Way」が視聴できます。

posted by micarosu at 21:59| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする