2020年07月12日

「EP6〜ケムシのうた」 馬場俊英

今回は馬場俊英さんの「EP6〜ケムシのうた」を紹介します。

EPシリーズも遂に6枚目。
デビュー25周年を迎えた馬場俊英さんが送り出した新曲は格好良いロックナンバーだ。

表題曲ではあまり多くないが、馬場さんのロックナンバーの熱量が半端ないことは「ファイティングポーズの詩」、「平凡」などで感じていると思うが、今回はそこに円熟味を増した渋さが滲み出ていることが聴きどころ。

単純な頑張れではない。
絶対負けない強さでもない。

這いつくばってもがきながら生きていけば、いつか羽が生えて飛んでいくことが出来る。
それに今は気づいていないと思うけど、ちゃんとその頑張りを見て信じてくれているような包み込む強さ。

歌声と歌詞からの強さだけでなく、渋く重厚感のあるエレキの音色や、最後のコーラスから漂う希望感があることでこの強さに彩りを持たせ、より輝いているのが素晴らしい。

この包み込むような強さは、「最終ランナー」にも通じる。

打って変わってのミディアムスローなナンバーで、歌声がより染みる。

君が決めたゴールに向かって走り続ける限り、例え最終ランナーになっても応援し続ける。
くじけそうになった時にこの歌を聴くと、大きな力になれると思う。

あと2曲はカバー曲。
斎藤誠さんとコラボしたビル・ウィザースの名曲「Lovely Day」のカバーと、斎藤誠さんの名曲「天気雨」のカバー。

2曲とも「ケムシのうた」同様、ギターの音の存在感が際立つ。
これによって馬場さんの歌声の響き方がまた違って聞こえるのが良い。

EP作品はかなりの良作揃いだが、今回はその中で飛びぬけている。

格好良くて強い。
馬場俊英さんのその新たな魅力に虜になる。

ちなみに、こちらで視聴できます。

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2020年07月05日

「れあもの」 PARIS on the City!

今回はPARIS on the City!の「れあもの」を紹介します。

意外。
その言葉が真っ先に浮かぶだろうか。

これまでの作品はどちらかと言えばポップな印象が強かった。
今作はそれらと比べると少し重い。

リード曲「れあもの」のイントロのロックンロール感からもそれはわかると思う。

ただ、聴き進めるとサビでは開けた雰囲気があったかと思えば、全体を通して"裏切り"が一つテーマになっていたりと、重いのだけど重さを感じさせないのが非常に面白い。

今回の収録曲はこのように新たなテーマに挑戦をしていること、そして、相反するものが曲の中にあるというのが注目すべきポイント。

「これまでのこと」の陰と陽、「蝶の顔」のコーラス、「喜びに憧れて」の歌謡曲感。

「めぐるちゃん」の不安からのめぐり逢いへの希望、「ビローバ」の深さ渋さの出た極上のバラードも最高だし、「春の夜」のファンキーさも面白い。

らしくないとも言えるのだけど、聴いているとこういうのもらしさなのかなと思えてくる。

彼らが歩む新たな一歩が垣間見える一枚だ。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
れあもの
めぐるちゃん

posted by micarosu at 22:28| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月28日

「SCRAPPY JEWELRY」 カミナリグモ

今回はカミナリグモの「SCRAPPY JEWELRY」を紹介します。

カミナリグモの新作が再び聴ける日が来るとは。

オリジナルアルバムとしては「MY DROWSY COCKPIT」以来7年半ぶり。
CDのリリースとしても2015年の「続きのブランクペーパー」以来。

2016年に活動休止し、2018年に活動再開してから初のアルバムとあって非常に楽しみにしていたわけだが、これはその期待を遥かに超える内容になっていることを先に言っておく。

その期待の片鱗は「アニーバーサリー」の配信リリース時からあった。

これはデビュー10周年ライブのために書き下ろされた楽曲。
もちろんその特別な日について綴っているわけだが、お祝いの華やかさの中に鼓動のようなもの、またここから始めるという決意の鼓動が奥にあるように感じた。

ソロの活動を経て得たもの。
そして、カミナリグモとしてこれまで得てきたもの。

コンセプトを持つというより、純粋にその得たもので良い曲を作ろう。
そんな想いを詰め込んで出来たのが今回のアルバムという気がする。

いつも通りとも言えるおもちゃ箱のような愛おしさ。
繊細で物語性のある歌詞に、電子音やバンドの音を重ねて描く唯一無二の世界の数々。

アコギとピアノのシンプルな音色がカーテンコールを告げる「follow me」、マーチのリズムでTHEおもちゃ箱という感じの「ジュエリーソング」が楽しさを連れて、「一秒先」が更に前へ前へと手招いてくる。

「TOY BOX STORY」で少しの切なさを見えれば、「rat-foot」が色んなものをピョンと跳ね飛ばしていく。

「Half Asleep」のゲームような音に不思議な夢を見せたかと思えば、「手品の続き」では現実の苦悩と葛藤にバンドサウンドを響かせて強く後押ししてくれる。

全英語詩の「mutant」の異質な存在感に、「アニバーサリー」の華やかさと決意。

「patchwork」の短い物語に、良い所全部詰め込んだような軽快な「キャンディーブルー」、都会感の中から畳みかけるような音に核心を聴かせる「夜明けのスケルトン」と来て、最後にこの煌びやかな内容に落ち着きを与えてくれる「SCRAPPY SONG」で静かに終わる。

もうこれはベストアルバムと言っても良いくらいの充実の内容。
間違いなくカミナリグモの最高傑作であり、今の音楽シーンに一石を投じることが出来る名盤だ。

ちなみに、こちらでアルバムのトレーラーが視聴できます。

posted by micarosu at 22:32| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月14日

「夏茜」 古川由彩

今回は古川由彩さんの「夏茜」を紹介します。

"奥華子も認めた奇跡の歌声"

透明感と儚さを持った歌声は、奥華子さんを確かに彷彿とさせる。
ただ奥さんよりも少し不器用で、幼さを含んだ歌声が彼女の魅力の一つだ。

そして、その歌声を最大限に広げる歌の世界観。
特にリード曲「水影とトマト」を無しには語れないだろう。

一言で言えば、吸い込まれるような楽曲。
僕目線で描かれるひと夏の物語。

夏の景色
君と僕の姿

それらが確かに描かれてるのだが、どこか寂しく、それが遠い記憶であることに気づく。

回顧。
という単純なものではなく、忘れられない記憶であり、ずっと引き摺った過去という感じだろうか。

まるでそこから時が止まって成長出来なくなってしまった僕の姿。
それが痛いほど見えてくる。

詩とメロディはもちろんだが、前述した不器用さと幼さを含んだ歌声がこの曲にはとても重なり、その世界観の愛おしさを何倍にも高めてくれる。
名刺代わりの名曲だ。

このミニアルバムには本人が作詞作曲した曲が4曲収録されているのだが、不器用さや幼さが見える点がどれも魅力だ。

それとは別に2曲、「アサギマダラ」、「夏茜」とaokadoが作曲した曲が収録されているのだが、こちらは同じく僕目線の物語でありながら、少しだけ画面を引いたような映像が目に浮かぶ。

言うならば、短編映画を見ているような感じだ。

この2曲は、僕と君の物語に違った彩りを加えてくれるという点で非常に大きな役割を果たしている。

"奇跡の歌声"
それは間違いない。

ただ、それだけでない。
物語の描き方、メロディの紡ぎ方でも魅了してくる一枚だ。

ちなみに、こちらで「水影とトマト」が視聴できます。

posted by micarosu at 21:55| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月07日

「アルファルド」 海羽

今回は海羽さんの「アルファルド」を紹介します。

孤独の叫びが聴こえてくる。

星に例えた自分の人生。
周りの星と比べてみたらとてもちっぽけであったことに気づく。

それに対する焦りは焦燥感を持った音色からも伝わってくる。

でもそれに抗おうとする疾走感と、徐々に自分の姿を見つめ直して、自分の星も光っていたことに気づく姿には勇気づけられる。
特に最後のサビの歌声のインパクトは強い。

タイトルのアルファルドというのは、うみへび座の恒星で、"孤独なもの"を意味する言葉。
これはまさにこの曲で伝えたいことを一言で表していると言える。

みんなそれぞれ違う星なんだ。
明るさは違うかもしれないけど、間違いなく光り輝いている。

それを伝える名曲だ。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 22:01| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする