2019年09月15日

「僕は僕で僕じゃない」 松室政哉

今回は松室政哉さんの「僕は僕で僕じゃない」を紹介します。
松室政哉さんの2ndシングル。

"僕は僕で僕じゃない"

タイトルでもあり、サビにも出てくるこの言葉には重く強い想いが込められている。

社会に出て流されて生きる日々。
自分らしさも忘れて生きることに感じた不安。

"あの日の僕はもういない"

上手く生きていると思っていても、心の奥底では"そうじゃない"と思っている。
そんな想いが、歌声から伝わってくる。

それが最高潮に達するのが最後のサビで出てくる"僕は僕で僕じゃない"からのフレーズだ。

間奏までの華やかさから一転してピアノの音色だけになるサビへの展開。
そこでこのフレーズを聴かされるわけだから、言葉の意味と想いが溢れるほど響いてくるのは必然。

ただ切ないだけの歌というわけではなく、全体として音の鳴らし方には華やかさやポップさが広がっていて、自分自身の葛藤を越えた先に待つ未来を信じて欲しいという想いが奥にはあるのかもしれない。

それは松室さん自信のことでもあり、聴いてくれている全ての人への想いでもある。
そんな想いが詰まった名曲だ。

ちなみに、こちらで視聴できます。

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2019年09月08日

「寂しい人が一番偉いんだ」 majiko

今回はmajikoさんの「寂しい人が一番偉いんだ」を紹介します。
majikoさんの1stフルアルバム。

濃い作品だ。
内容の充実さという意味で。

全体的には暗めの印象だ。
どこか葛藤を描いている言葉が印象に残るが、想いの根源にあるものは曲によって違う顔を見せる。

「エミリーと15の約束」のような母親との約束から想いを馳せる姿であったり、「ひび割れた世界」のように君への強すぎる少し歪んだような感情であったり、「春、恋桜。」のような純粋な想いを文学的に表現したものもある。

聴かせ方も多様で、民族音楽調で軽快に聞かせるポップな「ワンダーランド」であったり、アコギと二胡の音色で幻想的な哀愁を漂わせた「レイトショー」、ジャジーな音色とグルーブ感で心地良く聴かせる「パラノイア」のような曲もある。

これだけを見ると、単純に幅の広いアルバムという言葉が出てきそうだが、その奥では一つのテーマの芯があって、その中でどれだけ表現をできるかというのをこれでもかと魅せてくれている。

そこが冒頭の濃さの言葉になった大きな理由。

そのテーマといのがタイトルでもある"寂しい人が一番偉いんだ"なのだが、実は最後の最後の曲でこのテーマの一歩先へ進もうとしているのがこのアルバムの最大の聴きどころ。

その曲は「WISH」。

曲の始まりから惹きこむ繊細な透明感。

君を思う優しい言葉。

そして、サビで透明感が一気に弾けるように広がる展開。

そのサビにある君と二人で歩いていきたという願いが、真っ直ぐな言葉と歌声で響いてくる。

この楽曲が最後にあることで、全てが報われるような救いと、アルバムとしての最高の余韻が待っているのだ。

「寂しい人が一番偉いんだ」という名の名盤。
最初から最後まで聴いてみて欲しい。

ちなみに、こちらからアルバムのクロスフェードが視聴できます。

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2019年09月01日

「踠いていく日々」 THE RESTAURANT

今回はTHE RESTAURANTの「踠いていく日々」を紹介します。
THE RESTAURANTの1stフルアルバム。

前作「暮らしの中で」の頃は等身大というか、若さを感じるような勢いがあった。

その延長線上で今作を聴いたら驚くだろう。
この数年でこんなにも進化するのかと。

初めの「深夜二時」を聴いて、もう別次元だと思った。

深く重いギターの音色から始まるこの曲。
決して暗いわけではなく、むしろ真っ直ぐな信念を感じるようで、歌声と共に響く言葉を聴きながら、その想いは確信へと変わった。

真っ直ぐさは続く「Youthful Days」のほうが色濃く出ている。

軽快さが前面に出ていて、前へ前へと引っ張っていくような楽曲。
ただどことなく陰も含んでいて、その陰は自分自身の不安なのだろう。

それを噛み締めながら振り切っていこうとする姿。
歌声と音からそれが伝わってくる。

それでもまた走ってきたことを悩んでしまう「初期衝動」への流れは秀逸だ。

葛藤と信念。
そして初期衝動への回帰。

ぐるぐると回る想いを吐き出すように歌い上げる言葉は激情。
熱く熱く響いてくる。

この3曲を聴くとわかるのだが、1,2曲目と3曲目の楽曲の雰囲気がかなり違う。

それもそのはずで、1,2曲目はボーカル/ベースの井出さん、3曲目はボーカル/ギターの和田さんがそれぞれ手がけている。

この2人のソングライターがそれぞれの個性を発揮しつつ、互いの相乗効果でより楽曲が引き立つように収録されているのが非常に面白い。

ここでは最初3曲だけ紹介させてもらったが、この後の楽曲も素晴らしく、聴き進めるごとに彼らの魅力に惹きこまれていくだろう。

熱さと繊細が融合した、彼らの1stアルバムという名盤。

ちなみに、こちらから「初期衝動」が視聴できます。

posted by micarosu at 21:29| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月25日

「くつひも」 斉藤朱夏

今回は斉藤朱夏さんの「くつひも」を紹介します。
斉藤朱夏さんの1stミニアルバム。

Aqoursとしても活躍する斉藤朱夏さんが遂にソロデビューをする。

Aqoursでは演じる渡辺曜ちゃんのキャラクターもあり、明るく元気なイメージが強いことと、ダンスが非常に得意という点もあることから、アグレッシブな楽曲やダンスナンバーが来るのではないかと初めは思っていた。

ところが…だ。
先行でMVが公開された「あと1メートル」を聴いて、そのイメージは一気に払拭されることとなる。

一言で言えば、少女感。

好きな気持ちを伝えられない、近くて遠い距離。
それを描いた歌詞と等身大の歌声が繊細に真っ直ぐ響いてくる。

こんな引き出しがあったのか…。
というのが正直な感想だった。

この楽曲だけでもミニアルバムは良いものになるだろうと思っていたが、それを更に上回ると言ってもいい楽曲がある。
タイトル曲でもある「くつひも」だ。

詩のイメージは「あと1メートル」に似ているのだが、君との距離はこちらのほうが近い。

"もっと近づきたいよ"
想っているのに、なかなか素直になれずに素っ気無い態度を取ってしまう意地っ張りな想いの交錯。

そんな想いを、あえて"くつひも"の結び目に重ねて描くことにより、真っ直ぐなのに素直になれないもどかしい気持ちが、言葉と歌声から溢れ出るように響いてくる。

こういう楽曲が歌えるのがソロアーティスト斉藤朱夏なのだと感じた。

今作ではこの"言葉"というのが一つキーワードになっていて、1曲目の「ことばの魔法」を聴くとより見えてくるのだが、言葉を伝えることの大切さ、言葉だからこそ伝わることというのがミニアルバム全体で溢れている。

"くつひも"が繋げる歌と言葉。
斉藤朱夏さんの始まりを告げる最初の名盤。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
あと1メートル
くつひも
「くつひも」クロスフェード

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2019年08月18日

「消えて」 モーモールルギャバン

今回はモーモールルギャバンの「消えて」を紹介します。

最初聴いたときは、真っ直ぐな歌なのかと思った。
語りかけるように歌い方が何となくそう感じさせた。

でもよく聴いてみると、真っ直ぐという言葉は少し違う。

どこか日常を傍観をしているようなのに、すごく自分自身のことのように親身になっている不思議な感覚。
そして繰り返される「消えて」のフレーズが意味する輪廻転生。

そうか。
これは気づけば消えていってしまう日常の愛しさと尊さを描いているのだ。

こんな繊細な歌を誰が歌っているか調べてみたら、まさかのモーモールルギャバンだと知って非常に驚いた。

セルフプロデュースをやるようになってから印象が変わったと思っていたのだが、ここまでの曲を作ってくるとは全く想像していなかった。

どうしても狂気の変態バンドという印象は根強くあるのだが、この曲はそのイメージを大きく変えられると思う。
それどどまでに純粋に良い歌といえる彼らの新境地だ。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 22:20| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする