2020年11月15日

「bond」 asmi

今回はasmiさんの「bond」を紹介します。

囁くような歌声。

初めて聴いたときは最初ふわっとした幻想や空想を感じたのだが、言葉と音を聴くと凄くジャジーで大人びた印象と葛藤が入り乱れているような独特の空気感があった。

それはリード曲「summer sour」を聴いたときの感想だ。

言い方を変えると、奥に秘めた想いを吐き出すという感じではなく、含みを持たせた言葉を使って淡々と歌い上げる。
それが大きな特徴。

この言葉選びがなかなか興味深く、例えば「おすしの唄」では寿司のネタの話に君が好きだという話を混ぜて興味を引こうとする妬みの様子だったり、「last」のような執着して離れられない様だったり、すごくリアリティがある。

これを感情強く歌い上げてしまうとかなり重い曲になってしまいそうだが、asmiさんの淡々とした歌声で響かせると嫌な感じが残らない。

その聴かせ方が新鮮で、不思議と何度も聴いてしまう。

そんな力を持った楽曲が詰まった一枚だ。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
summer sour
anpan
cream soda
moon

posted by micarosu at 22:44| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月08日

「Memento」 nonoc

今回はnonocさんの「Memento」を紹介します。

聴いた瞬間から圧倒された。

幻想的で深い世界観に、透明感を持った絶望と希望。

前者は音とメロディ。
後者は歌声。

これらが融合することで生まれた美しくも儚く愛おしい不思議な世界。

テレビアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』第2期のエンディングテーマ曲だが、彼女の歌手としての始まりもOVA『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』のイメージソングとエンディングテーマだったので、やはりこの歌声と作品の相性の良さを感じずにはいられない。

今作は3rdシングル。
この先、アルバムも含めどんな活動・活躍をしていくかが気になってくる最高の名曲だ。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 20:55| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月01日

「PERSONALITY」 高橋優

今回は高橋優さんの「PERSONALITY」を紹介します。

「STARTING OVER」から2年ぶりの7thアルバム。

所属事務所アミューズを離れてから初めてのアルバムということもあり、色んな意味でかなり挑戦をしている印象だ。

一曲目は社会風刺を歌うような楽曲が多かったが、今回の「八卦良」はかなり意味深。
リアリティのある言葉を淡々と歌いあげながらも、サビの最後に"FUCK YOU"とかなり直接的な言葉を選んでいることに、やりきれない強い想いを感じずにはいられない。

ただ、ここまで強い言葉を選んでいるのはこの一曲だけ。
他の楽曲を見ると、ラブソングが意外なほど多く、その点でも今までとは違う印象を与えてくれる。

とはいえ、真っ直ぐなラブソングというではなく、少し捻じれた関係が目につく。
「room」は特に印象的で、表と裏の感情をR&Bテイストで少し怪しげに聴かせるのは意外だった。

今回アレンジャーに色んな人を起用していることもあり、アレンジの面でこのような意外な一面を見せるのもこのアルバムの特徴だ。

「自由が丘」のようなピアノ弾き語り、河野圭さんが編曲した「CLOSE CONTACT」はストリングスを織り込んだポップな楽曲に仕上がっているし、「フライドポテト」ではカントリー調、蔦谷好位置さんが編曲した「one stroke」は伸びやかで爽快な仕上がりで心地よく聴かせる。

かと思えば「東京うんこ哀歌」のように"うんこ"を繰り返す衝撃的なロックナンバーがあったり、その表現は実に多彩。

でもこれだけアレンジが変わっても"高橋優"が確かに芯にあるので、決してブレたものにはなっていない。

ジャケットで眼鏡を取ったことが話題になったが、眼鏡を取っても高橋優であるように、アレンジが変わってもそれは高橋優なのだ。

違う角度、違う表現で聴かせることで見えた高橋優の個性=PERSONALITY。
それを存分に楽しませてくれる一枚。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
one stroke
room
自由が丘

posted by micarosu at 22:20| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月25日

「ポストに鍵」 セットラウンドリー

今回はセットラウンドリーの「ポストに鍵」を紹介します。

今までは日常の中にあるドラマと優しい旋律を聴かせるイメージがあったが、今作はもう少し華やかで陰と陽が色濃く出ている印象だ。

詩の面では男女間の心情を歌っていて、「メンヘラヘビーガール」からかなり描かれた心情の個性が際立っているのだが、病んだ詩の雰囲気は感じさせつつ、キャッチーなメロディで聴かせているのが心地よい。

女性の視点から描かれている点では「ポストに鍵」、「Cheek」も同様。

「ポストに鍵」はどこか吹っ切れた疾走感を跳ねるようなリズムで聴かせているのだが、際立っているのはサビの"鍵 鍵 鍵"のコーラス。
ノリの良さからは明るい曲だと思わせるが、根本にある吹っ切れた想いをこういう形で表現するのは面白い。

「Cheek」はホーンの音が入っていて華やかな印象。
cheekを入れて攻めている姿勢が音色からも伝わってきて、色気を感じさせるのは新鮮に映る。

華やかな曲がある反面で、「素直になれない」のようなシンプルな音色で聴かせる楽曲もある。

こういった楽曲があることで、最初に書いた陰と陽が際立っていて、それぞれの心情の個性のコントラストも楽しめる。

リリース毎に楽曲の魅力が増し続けているのだが、ここまで表現力が増すとは思わなかった。
それにより、ずっと聴いても飽きないような聴き応えのある一枚になっている。

ちなみに、こちらで「ポストに鍵」が視聴できます。

posted by micarosu at 21:50| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月18日

「rebooted」 Fanta Zero Coaster

今回はFanta Zero Coasterの「rebooted」を紹介します。

Fanta Zero Coasterのデビュー20周年記念3rdアルバム。

昨年、20周年を前に再集結ライブをしてくれたと思ったら、今度はまさかオリジナルアルバムリリース。
これは率直に嬉しいという感想が真っ先に出てくる。

2ndアルバム「GALLOP」からは実に17年ぶり。

元々"自称早すぎたバンド"と言っているように、ちょっと時代の先を行き過ぎていた雰囲気は確かにあったが、時を重ねたことでようやく時代が追いついて来た…というよりは、より背伸びをしない等身大の自分を表現できるようになったという感じが強い。

楽曲の雰囲気も当時と違い、洋楽のテイストが前面に出ている。

「never fear」は英語詩の部分がかなり多く、初めて聞いたときは結構驚いた。

でも聴いていると、メロディの良さやウィスパーボイスのコーラスは健在だなと気づく。
そこに培ってきた演奏と表現技術を重ねて、大人びた声と音の抜けを聴かせてくれるところが大きく進化している。

洗練されたメロディも聴きどころで、「bedtime story」の叙情さや「Love touch」のようなポップさはこのメロディがあってこそという感じだ。

かと思えば、「puzzle」ではラップを織り込んでいたり、「待夢」ではかなり陰のある音世界観を聴かせたりと一曲ごとにそのイメージは異なる。

中でも雰囲気が少しだけ違うなと感じたのは「Tokyo 20th」。

調べてみると、活動休止前の最後に作った曲とされる「TOKYO」をこの2020年にリアレンジしたというものらしい。
メロディに他と違う懐かしさを感じたのは、そのためかもしれない。

リアレンジしていることもあり、違和感を覚えることはもちろんないのだが、当時のアレンジだったらこうするかもしれないという回顧の音色が不思議と頭の中で鳴る感じがある。

これは言わば、当時のファンゼコと今のファンゼコを結んでくれる曲。

決して今が別物ではなく、一度途切れたレールが再び繋がったことをこの曲が示してくれているようだ。

デビュー20周年。
活動休止期間15年を経て進化した今の彼らに驚きつつも、その格好良さに思わず聴き入ってしまう、そんな良さがこのアルバムにはある。

posted by micarosu at 22:34| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする