2019年05月12日

「ESCAPE」 小林太郎×Academic BANANA

今回は小林太郎×Academic BANANAの「ESCAPE」を紹介します。
小林太郎さんとAcademic BANANAのスプリットEP。

レーベルメイトとはいえ、なかなか珍しい組み合わせだ。

小林太郎さんといえば、孤高のロックミュージシャン。
Academic BANANAといえば、ネオ歌謡曲。

一見交じり合わないような気もするが、蓋をあけてみればとんでもないエネルギーを持ったコラボになっていた。

収録曲は全9曲。
小林太郎さんの楽曲が4曲、Academic BANANAの楽曲が4曲、コラボ楽曲が1曲という内容だ。

CDは小林太郎さんの楽曲から始まる。

「零」、「針音」。
この2曲を聴いたとき、いつもと違う雰囲気を感じると思う。

この辺りがまさにスプリットEPならではのところで、この2曲の作曲はAcademic BANANAの齋藤知輝さん。
滲み出る歌謡曲感はそこから来ている。

少し懐かしく耳に馴染みやすいメロディを聴かせながらも、小林太郎さんの熱い歌唱で真っ直ぐに響かせるのがなんとも格好良く痺れさせてくれる。
この時点でCDを手にして良かったと思えるほどの内容だ。

Academic BANANAの楽曲だって負けていない。

「抱擁」の王道の進行で聴かせるムーディでメロディアスな歌謡曲感に、怪しげな二人の関係を描いた詩の妖艶さ。
まさに彼らの真骨頂という楽曲。

続く「HAPPY-HAPPY TIME」では少し雰囲気が変わる。
クリスマスの浮かれた気分を明るめの音色で聴かせつつも、どこか陰があるのは後ろめたい気持ちなのかなと想像させる音世界がまた秀逸。

1つのEP内でまるで個性と個性をぶつけ合うかのように繰り出される名曲の数々。
トリにはその集大成の「Escape」が待っている。

この楽曲は正真正銘のスプリット楽曲。

ジャジーな雰囲気と骨太の音色。
小林太郎さんの熱いボーカルを聴かせてくれたかと思えば、齋藤さんの繊細で艶のある歌声で惹き込む。

サビではこの二人のボーカルが重なり合い、熱く繊細な逃亡劇を歌という形で響かせる。
この素晴らしさは何と表現すれば良いのだろうか。

ただ単純な熱さでもなく、単純な繊細でもない。
何か内に秘めた熱情を感じさせるとでも言うべきか。

このコラボだからこそ生まれた最高の一曲。

そして、こんな素晴らしい楽曲ばかりが聴けるEPもまた最高の一枚だ。

ちなみに、こちらで「Escape」が視聴できます。

posted by micarosu at 23:16| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月05日

「結花乃譚〜きんぎょすくい〜」 結花乃

今回は結花乃さんの「結花乃譚〜きんぎょすくい〜」を紹介します。
結花乃さんの1stアルバム。

結花乃譚。
まさに結花乃さんの軌跡を辿る物語とも言うべき内容の1枚になっている。

「きんぎょすくい」、「花一匁」、「一緒に未来へ」といったシングルやリード曲が存在感を放ちつつ、「明(るい)日」、「shippo」、「パチパチ、線香花火」といったカップリングやアルバム収録曲からも選曲されていて、結花乃さんを知る上では欠かせないものばかりが収録されている。

そんな軌跡を辿る楽曲はもちろんのこと、新曲の存在も聴き逃せない。

坦々としたリズムで少し無機質な雰囲気がありながらもすごくポップな「へくしょん」。
花粉症の歌かなと一瞬思ってしまうが、実は片想いソングになっていて、くしゃみが出てしまうことを自分自身が好きな人に噂されていることだったら良いなという妄想の詩もすごく微笑ましい。

「わさび」は昭和歌謡全開なムーディーな一曲。
そこに乗るのが、ひたすらわさびの魅力を綴る言葉というのが心地よい違和感。

今までの結花乃さんの楽曲には無いタイプだったので非常に驚いたが、こういう楽曲も意外に合っていて、新たな魅力を発見できた感じだ。

また、このアルバムには実は結花乃さんの地元である富士市でのみ流通する富士市盤「結花乃譚〜いただきへの、はじまり〜」もある。

こちらには富士市のブランドイメージソング「いただきへの、はじまり」のLIVE ver.と「特別な場所」が追加で収録されているので、より結花乃さんの魅力を感じられると思う。

繰り返しになるが、まさに結花乃譚な1枚。
今まで聴いてきた人も、初めて知る人にも楽しめる作品だ。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
へくしょん
指定席
わさび

posted by micarosu at 22:15| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

「The Snowland」 les Lizz

今回はles Lizzの「The Snowland」を紹介します。
les Lizzの1stシングル。

神秘さと幻想さ。
音楽という形で描かれた一つの物語。

les Lizzはアプリを中心に小説、楽曲、映像を融合した活動をしているロックバンド。

そんな彼らが満を持してリリースした楽曲がこの「The Snowland」。

繊細な音色に感情が滲み出る歌声。
それらが世界観を彩り、聴く人を物語の世界へ誘う。

特に神がかっているほど秀逸なのが最後のサビ後の"Snowland"のフレーズからの展開。

それまでのメロディも間違いなく耳に残るものだったのだが、最後の最後に切なさという感情の余韻を畳み掛けるように聴かせてくれるので、いつまでもその余韻に浸ることができる。

上でも書いたが、まさに満を持してのリリースといえるほどの楽曲。
素晴らしき名曲だ。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 23:39| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月21日

「花実〜kajitsu〜」 鈴木花純&櫻井里花

今回は鈴木花純&櫻井里花さんの「花実〜kajitsu〜」を紹介します。
ソロシンガー鈴木花純さんと櫻井里花さんによるボーカルユニットの1stシングル。

妖艶で幻想的。
始まりから漂うのはそんな世界観だ。

実らなかった二人の関係。
思い出が更に鮮明にする孤独の存在感。

描かれた詩の世界を心揺さぶる歌声と歌声が響かせ、詩だけでは見えない奥深くに隠された感情まで聴かせてくれる。

それぞれ実力派の歌い手ではあるが、この二人の歌声が融合されることで、感情の深みが増し、緊迫感で圧倒してくる。
ソロではなく、この二人が歌うからこそより活きた楽曲と言える。

これからの活動も気になるとろこだが、まずはこの名曲を堪能してみてほしい。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 21:58| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月14日

「HOMETOWN MUSIC LIFE」 坂本サトル

今回は坂本サトルさんの「HOMETOWN MUSIC LIFE」を紹介します。

全編コラボレーションによる2枚組みの作品集。

1枚目はコラボレーションライブ「おもいでレストラン」で生まれた楽曲を中心に。
2枚目は企業や団体から依頼を受けて制作された楽曲が収められている。

まず1枚目。

アコギとピアノの印象的な音色から始まる「タビガラス feat. リクオ」。
素朴さと泥臭さを感じさせつつ、凄くお洒落で上品さも兼ね備えている不思議で魅力的な楽曲でアルバムは幕を開ける。

アルバム「プレゼント」に弾き語りで収めれていた名曲「コーンスープ」の完全盤としてバンド編成でレコーディングした素晴らしい一曲をはじめ、松本英子さん、加藤いづみさん、熊谷育美さんと、サトルさんの盟友と作り上げた個性的な楽曲が並ぶ。

中でも「HOMETOWN MUSIC LIFE feat. 熊谷育美」は印象的だ。

ソウルやロック感の強い骨太な歌いだしからその存在感に惹き込まれる。

サビの幕開けとともに疾走感あるリズムと二人の力強い歌声で駆け抜けていく展開は圧巻。
"ホームタウンミュージックライフ"の言葉は一度聴けば耳から離れない。

そして2枚目。
始まりから圧倒的存在感を放つ「何のため 誰のため」。

サッカーチーム「ラインメール青森FC」のオフィシャルソングとして書き下ろされた楽曲。
ギターが古川昌義さん、鍵盤関連が真藤敬利さんという、まさにSTANDARD PROTOTYPEな布陣。

重厚なコーラスと骨太なギターサウンドで幕開けと躍動感、明日への希望と推進力を聴かせてくれる格好良さ全開の熱い一曲。
ここまで重厚で熱い楽曲はかなり新鮮だ。

と思ったら次は「いつのまにか夢がかなうように」では風を感じるような軽快な音色を聴かせてくれる。
ギターにはブリトラの伊藤多賀之さんが入っているのも、この爽やかさを演出している一因かもしれない。

「3つの花」は青森県南部町の合併10周年記念ソング。
イントロのピアノ音色から穏やかな雰囲気を醸しだす優しい楽曲。

南部町の景色が浮かんでくるような詩と南部町の小中学生の自然な歌声が胸に響く。

胸に響くという点では「この街に生まれた意味」も大事な楽曲。
東日本大震災から1年経った2012年に仙台青年会議所から依頼を受けて制作されたという。

この楽曲から溢れているのは感謝の想い。

"ありがとう"という直接の言葉の意味もあるが、ステップを踏むようなリズムに軽快な音色、そして被災者の皆さんとサトルさんの生命力感じる歌声。
歌が出来ることの一つの形を見たような一曲だ。

2枚合わせて11曲。
普通のアルバムの収録曲なのだが、2枚組みということと、それぞれに濃い楽曲が並んでいることもあってか、非常に満足度の高いアルバムに仕上がっている。

ホームタウン青森で紡がれた珠玉の楽曲達を堪能あれ。

posted by micarosu at 22:26| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする