2020年07月19日

「Night Songs」 広沢タダシ

今回は広沢タダシさんの「Night Songs」を紹介します。

コロナウィルスによる自粛のタイミングで制作されたという今作。

ある程度の制限がある中ということもあり、音数は少なく、落ち着いた楽曲が並んでいる。

象徴的なのは一曲目の「tiny room」。

曲が始まるまでの数秒間にノイズのものが入っているのだが、インタビュー記事を読む限り、一人で演奏して歌うにあたって録音のボタンを押すために歩いているために入ったものらしい。

一人、そして部屋。
その限られた空間からまた会おうと願う歌には悲痛さと希望が滲み出ている。

ただ、直接的な表現をしているのはこの楽曲くらい。
他の楽曲では夢や幻、月、夜など、部屋から見えるものとそこからの妄想・想像が描かれているのがかなり特徴的だ。

また、一人というキーワードを出しつつも、サポートやコラボをしているアーティストの存在があるのも面白い。

「風待ち停留所」では矢野まきさん
「月が微笑む夜に」ではSinonさん
「これから夢を見るところ」では馬場俊英さん
がそれぞれボーカルで参加し、他の曲でも多数のアーティストが演奏で参加している。

とはいえ、一緒に制作というよりは、一つ一つの歌と音を重ね、足し合わせている印象が強い。
言うならば1×1ではなく1+1。

でも決して単純な足し合わせではなく、交互に歌ったり、声を重ねたり、その中で試行錯誤をしているのが見え、聴いていると驚きのような新しい発見がある。

全体的に落ち着いた楽曲が並んでいて、静かな夜にBGM的に楽しむのも良さそうだが、「彗星の尾っぽにつかまって」や「彼方」のようにメロディアスに感情を響かせる楽曲の存在があるので、つい聴き入ってしまうのも良い。

今日の夜に一枚いかがだろうか。

Night Songs.JPG
posted by micarosu at 22:04| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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