2019年09月22日

「その幕が上がる時」 ピロカルピン

今回はピロカルピンの「その幕が上がる時」を紹介します。
ピロカルピンの9枚目のオリジナルアルバム。

初期のピロカルピンのような雰囲気があるなと思った。

独特の空気感、松木さんの坦々としているようだけど真っ直ぐ響いてくる歌声、主張しすぎないけど存在感のある音。
「人生計画」、「人形の部屋」などはその最たるものだ。

もちろん、今のほうが音の作り方であったり、楽曲の魅せ方などは遥かに洗練されている。

そんな純粋な進化も楽しいのだが、楽曲ごとに見せる顔がかなり個性的で、かつ明確でることでも楽しませてくれる。

まさに幕が上がるような光を感じる「その幕が上がる時」に始まり、水が音圧で弾けるような重厚感ある音で聴かせる「雨の日の衝動」、優しい救済を感じさせる「キューピッド」も心地よい。

特に存在感があるのが最後の2曲。

御伽噺のような浮遊感ある「秘密」で聴かせる夢幻。
サビの4つ打ちのリズムが夢と現実の狭間を埋めてしまうような不思議な軽快感を響かせてくれるのは新鮮だ。

それ以上に最後の「夢十夜」が新鮮だ。

始まりから少し陰のある懐かしいリズムとビートで聴かせてくるので、かなり驚いた。
そして、その空気感から"全部夢だよ"で歌いだされたら、もう惹きこまれないほうがおかしい。

ただ、入り込んでしまったらそこから抜け出すのが難しい。
そのくらい現実を逃避という夢の世界が見えてくるのが寂しくもあり愛しいのだ。

メジャーでの活躍、自主レーベル設立を経ての今回のセルフプロデュース。

ピロカルピンらしさという点において、間違いなく今までで一番濃く出た作品だ。

それでいながら、新鮮な面も覗かせるなど、まだまだ進化は止まりそうにない。

「その幕が上がる時」という名のように、ここから新しいピロカルピンが始まりそうだ。

ちなみに、こちらから「人生計画」が視聴できます。

posted by micarosu at 21:57| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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