Brian the Sunのメジャー1stアルバム。
変わった。
彼らはメジャーに来てから変わったと思う。
と書くといかにも悪いような感じにも見えるが、逆である。
良い方向にだ。
アルバムは始まりの「Impromptu」から驚かされっぱなしだ。
本当にBrian the Sunなのかというほど、重く渋い空気を漂わせた一曲。
もちろん違いに驚いたということもあるが、それ以上にこの楽曲の完成度の高さに驚いた。
こんな楽曲もできたのかと。
そこから激しく攻める「Physalia」に、陰のある疾走感で駆け抜けていく「パトスとエートス」。
もうここまでの展開が凄すぎて凄すぎて、感情の高まりが収まらない。
ここでやっとシングル「HEROES」が来て、少し落ち着くことになる。
ここまで聴いて思った。
確かにいつもと違う感じはあるのだが、これだけ真っ直ぐに音楽を届ける姿いつものはBrian the Sunではないかと。
確実に変化を遂げている。
でも決して奇をてらったり、新しいことを始めたわけではない。
Brian the Sunがやりたい音楽、Brian the Sunだから出来る音楽を突き詰めただけなんだと。
6曲目の「Maybe」もシングルで初めて聴いたときは同様にいつもと違うというイメージが先行してしまっていが、聴いているうちにこれもらしさなんだという想いが滲み出るように伝わってきた。
アルバムはこの延長線上に存在しているというわけだ。
アルバム後半も勢いは止まらず、ピアノとベースラインが心地良い「アイロニックロックスター」、流れるようなメロディに哀愁を乗せた「Hi-Lite」、「Cloudy #2」。
最後はピアノ主体のバラードナンバー「月の子供」が優しく迎えてくれる。
結成10年。
メジャーでは初となるアルバムは一つの集大成であり、まだまだ変化をしていくであろう彼らの今を感じることができる最高の一枚。
ちなみに、こちらで「パトスとエートス」が視聴できます。