GOOD BYE APRILの1stフルアルバム。
"歌"を聴かせる。
本当の意味でそれができるバンドの1つがGOOD BYE APRILだろう。
今回の1stフルアルバム「ニューフォークロア」はそんな彼らの全てが詰まった一枚だ。
そのアルバムは始まりから驚かされる。
「水色の夏」という曲は、バンドでありながらギターもベースもドラムも入らず、ピアノとバイオリン、チェロといったストリングスの音色で聴かせるのだから。
ただこれにより、倉品さんの伸びやかな歌声と延本さんの深みのある詩の良さが際立って見えてくるのが大きく、そこで得た次の曲へのワクワク感を「君がいなきゃ」が全て受け止めてくれる。
歌い出しから感じる名曲さ。
流れるメロディがどことなく軽快に進んでいくが、聴こえてくる言葉の切なさが耳に届くと、この軽快さが言葉以上の切なさまで連れてくる。
特にサビで繰り返される"君がいなきゃね"のフレーズは、回数を重ねるごとに切なさも積み重なっていくようだ。
この詩とメロディ、そしてその構成はこうする以外ないだろうというくらい完璧な名曲。
その余韻に浸ろうかと思っていると、温かく包み込むような「愛はフロムロンリーハート」や、エバーグリーなサウンドとメロディが印象的な「ユキノシタ」、走り出す気持ちを表すようなアップテンポな「太陽」のようなといった色を持った楽曲次々と迎えてくれる。
中には「Bittersweet Christmas」のような季節を外れた楽曲もあるが、それも決して違和感なく聴けるのは、変わらないメロディセンスを発揮しているからだろう。
フルアルバムという形で一つになった楽曲たち。
GOOD BYE APRILというバンドが聴かせる"歌"を是非堪能してみてほしい。
ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
「君がいなきゃ」
「太陽」
「キレイ」