サンドクロックの1stフルアルバム。
そこにあるのは日常。
「キッチン」や「君の斜め後ろの席で」、「ROOM」のように直球な場面描写はもちろんだが、「EPOCH〜始まりの詩〜」、「Good Morning」のように断片的な描写が静かに、でも鮮明に聴き手の心に景色を映すのも聴いていて心地が良い。
こういう良さを持ちながらも、一辺倒にならないのがまた面白い。
「Bibbidi-Bobbidi-Boo」のような遊び心溢れる曲に、「プライスレス」のように軽快なテンポで引っ張っていく曲。
「カメレオーン」の印象的なメロディと言葉に酔いしれされたかと思えば、「許して頂戴」の軽快なリズムに乗るちょっと情けない言葉に自然と笑みをこぼれさせる。
これらの中でも特に存在感を放っているのは「君はファンタジー」。
イントロのアコギとピアノの音色を響かせた瞬間から変わる空気。
ファンタジーの言葉が示すような幻想的な雰囲気と少しの懐かしさを纏いながら、綴った言葉を編み上げるような二人の歌声が空へと放っていく。
そこから生まれる華やかさと心地よさは、耳に届いた瞬間から良いと感じられるもの。
こういう曲はいつまでも聴いていたいし、いつまでも残したい。
歌詞、メロディ、そして個性的な二人の歌声のハーモニー。
どれもが魅力的だが、これだけ色んなタイプの曲を聴かせてくれると、その良さを自然と感じずにはいられない。
サンドクロックの良さを感じるには十分な一枚だ。
ちなみに、こちらのSpecial Trailer映像で視聴できます。