2015年05月21日

キセキ その11 〜ナナムジカ〜

またお久しぶりとなってしまいました、アーティスト特集企画「キセキ〜僕を作った音楽達〜」。
(企画内容とタイトルの意味はこちら

第11弾にして初の女性アーティストとなります、"ナナムジカ"を紹介したいと思います。

ナナムジカは西島梢さんと松藤由里さんの2人よるユニット。

ユニット名の"ナナムジカ"は、古代神話の月の女神である"ナナ"とラテン語で音楽の意味を持つ"ムジカ"を組み合わせた造語。
その名前の付け方からもわかるように、幻想的な楽曲を多く届けてくれた。

中でもデビュー曲「Ta-lila〜僕を見つけて〜」との出会いは今でも忘れられない。

イントロのピアノの音色から始まる幻想的というより神秘的な世界観。
聴いた瞬間から今まで感じたことがないほどの衝撃を受けた。

この世界観の中で歌われるのは壮大な愛。

松藤さんが紡いだ滑らかなメロディがその愛の強さを示し、西島さんの大地に響くような存在感のある歌声がその全てを包み込んで聴き手に響かせる名曲。

ただ、ここまで高い完成度の楽曲を聴かされてしまったら、今後が楽しみな反面、これを超える楽曲ができのかという不安もどこかで感じてしまっていた。

ところが、そんな不安の必要もない楽曲が次にリリースされる。
くるりくるり」だ。

輪廻転生という壮大なテーマ。
それを幻想的でありながら力強く歌い上げた一曲。

全体的に明朗なメロディで聴きなじみやすいが、特にサビの「くるりくるり」のメロディは一度聴いたら忘れられないほどのインパクトも持っていた。

その魅力は実際に多くの人の心に届き、オリコンウィークリーで9位に入るヒット曲となった。
楽曲の良さが評価されたこともそうだが、この楽曲のおかげでナナムジカの名前を色んな人に知ってもらえたことは本当に嬉しかった。

そして、待ちに待ったアルバム「ユバナ」をリリース。

「Ta-lila〜僕を見つけて〜」、「くるりくるり」はもちろんだが、アルバム全体を通して幻想的、神秘的な楽曲が並ぶ。
それぞれの楽曲の奥深さが聴くほどに伝わってきて、感情が揺さぶれる一枚。

中でも切なさと旅立ちを描く「鳥の歌」は素晴らしく、西島さんの歌声に宿る主人公の感情と民族音楽の要素をより強調したアレンジが見事に重なり、深みのある世界観が堪能できる。

アルバムを聴いている間は全く気づかなかったのだが、クレジットを見てみるとアルバムの約半分の作曲がナナムジカの2人ではなく、243(都志見隆)さんが担当していることに気づく。
楽曲の世界観は統一されているので違和感となることはないのだが、シングル2枚はカップリングも含めて松藤さんの作曲だっただけに、今後の活動への不安が残った。

続いてリリースされたのが「僕達の舞台」。
アルバムから約1ヶ月という早さでリリースしたこの楽曲は、今までとは違う一面を見せてくれる。

幻想的な雰囲気は感じさせつつも、目に浮かぶのは今を生きる姿。

今までよりバンドサウンドが強めにして現実感を演出していることもあるが、何より大きいのは歌詞。

今を生きることに対する悩みと、もっと自分らしくありたいという決意。
サビの最後で「すべてが僕の舞台」と強く言い切る姿に胸を打たれた。

なんでこんなに言葉の雰囲気が違うのだろうと思ったら、作詞を西島さんではなく、松藤さんが手がけているからだった。
この世界観も好きだったのだが、松藤さん単独名義で作詞したのは結局この曲だけになってしまったのだけが惜しい限り。

この「僕達の舞台」も新鮮であったが、次の「心音」は更に新鮮に映る。

しっとりとしたバラードであるこの曲は、作詞作曲ともに都志見隆さんが手がけているのだ。
初めにそれを知ったときは少しがっかりしたが、いざ聴いてその音楽に浸っていると、そんな思いは吹き飛んでしまう。

もう逢えない人への一途な想い。
冬の寒さを感じさせる静かで壮大なオーケストラの中で響き渡る西島さんの歌声は、詩の切なさと温かさを優しく連れてきてくれる。

元々この歌声がたまらなく好きなのだが、その魅力を改めて感じさせてくれた。

その歌声の魅力は続く「Sora」でまた新たな一面を見せてくれる。

ナナムジカ×のだめオーケストラ名義でリリースされたこの曲は、壮大で爽快な一曲。
ゆったりした曲にこそ西島さんの歌声は合うと思っていたが、この曲を聴いてそれだけではないと気づかされた。

壮大なオーケストラの音色が描く広大な大地に、吹き抜けるような力強く爽やかな歌声。
そして、今までのナナムジカより少し早いテンポが前へ前へと引き連れていき、聴く人にこれ以上ない心地よさを届けてくれる。

この心地よさを生み出せたのは、ひとえに西島さんの歌声の存在感に尽きる。
オーケストラに負けないばかりか、相乗効果で更に広がりを増した歌声が聴けるこんな名曲には、今後もそうそう出会えそうに無い。

その興奮も覚めやらぬ中、「彼方」をリリース。

バイオリンとピアノの音色が演出する怪しげな世界観の中を行く凛とした歌声が力強く胸に響く一曲。
ここまで攻めた曲も初めてで、この曲もまた初めて聴いたときには驚いた。

それでも芯にあるナナムジカらしさがあるからこそ、違和感なく聴ける。

まだまだナナムジカの可能性はあるのかもしれない。
そう想い始めたこの曲を最後に、リリースが止まってしまう。

そして、この2007年末に活動休止が発表されることになる。

活動休止に至った経緯は何とも言えないところだが、「心音」以降、彼女達が作曲した曲がシングルA面になっていなかったことを考えると、自分達のやりたい音楽ができない環境になっていたのではないかと思っている。
「Ta-lila〜僕を見つけて〜」、「くるりくるり」といった名曲を届けてくれたのに、もしそういう状況になっていたとしたら惜しい限り。

でも「Sora」や「彼方」は、作曲者が違うからこそ垣間見えた一面だとも思っているので、そこはもどかしいところでもある。

活動休止から早7年半経つが、現在も活動再開の話は出てきていない。
だが、活動休止の発表のとき、"それぞれの目標に向かい勉強していく"という言葉とともに、また戻ってくるという主旨の言葉も残してくれていたので、またナナムジカの音楽を聴けるときが来ると今も願っている。


ちなみに、今回ナナムジカを紹介しようと思ったのは、時々「ナナムジカ 評価」で検索して来てくれる人がいたことがきっかけです。
今でもナナムジカの音楽を気にかけてくれている人がこれだけいるのであれば、是非紹介したいと。

自分の文章で魅力がどこまで伝わるかはわかりませんが、ナナムジカという素晴らしいアーティストがいることは覚えておいて欲しいなと思います。
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