2014年09月25日

キセキ その10 〜サスケ〜

3ヶ月ぶりとなりましたアーティスト特集企画「キセキ〜僕を作った音楽達〜」。
(企画内容とタイトルの意味はこちら

第10弾となる今回は、"サスケ"を紹介したいと思います。

サスケは奥山裕次さんと北清水雄太さんによるアコースティックデュオ。
サスケと言えば大ヒットした「青いベンチ」を無しには語ることはできないだろう。

自分もサスケとの出会いはやはり「青いベンチ」だった。

アコギとハーモニカの切ない音色。
繊細な歌声で届けられる真っ直ぐなメッセージと二人のハーモニー。

この曲の良さを言葉にするとこれだけシンプルなものになってしまうが、聴いた瞬間に圧倒的な名曲だと感じたことは間違いない。
事実、この曲は広く色んな人に聴いてもらえる名曲となった。

個人的にもアコースティックデュオが好きで、この大ヒットによりゆず、うたいびと はね、コブクロと並ぶ存在が現れたことが何より嬉しかった。

その大ヒットの最中、ミニアルバム「Smile」をリリース。

「雨の遊園地」、「12月のリング」などサスケを代表する名曲が多く収められており、この時点でのサスケのベストアルバムといっても良い内容。
繊細で切ないイメージが強かったが「Smile」や「明日には笑えるように」など元気が出るようなアップテンポの曲もあり、彼らの魅力を知る意味でもアルバムとしての纏まりという意味でもよくできた一枚。

そして、アルバムから9ヶ月。
シングル「永遠の夏/輝く明日の方へ」をリリース。

「永遠の夏」はサスケの中でも特にキラキラした印象の楽曲。
歌詞は写真の中の思い出を鮮明に描きながら今の寂しさとそこから進もうとするする決意を表現しているので、もっと切ない楽曲に仕上げても良かったのだろうけど、それをあえて思い出のキラキラを強調したところにセンスを感じる。

また、音の使い方やメロディの展開が非常に素朴でありながら上品な点も素晴らしく、今までの直球な楽曲から良い意味で彼らの印象を変えた一曲。

反対に「輝く明日の方へ」はサスケらしい応援歌。
聴いた瞬間に安心感があり、やはり本能的に彼らのこういう曲を聴きたいという想いがどこかにあるのかもしれない。

いつ聴いても変わらない気持ちで元気をもらえるのは、この曲の一つの魅力だと思う。

続いてリリースしたのが「卒業の日」。
この曲も「青いベンチ」と並んでサスケの代表曲として有名。

カップリング曲なしでリリースしている点からもこの曲への気持ちの強さがわかる。

タイトルの通り卒業の日をリアルに描いた歌詞は学生はもちろんだが、卒業した人たちにも共感できるところがあり、思わず感情移入をしてしまう。
繊細なメロディと歌声も見事にハマっていて、彼らが歌うからこそ名曲として成り立っている。

ただ、「青いベンチ」を超えるのは難しいとしても、思ったほどヒットしなかったのは残念だった。

そこからまた約1年とリリースが空く。
続いてリリースしたのが「もしも時を飛べるなら」。

この曲は最初聴いたとき鳥肌が立つほど驚いた。

冬の感じを漂わせてくれる、ピアノの静かなイントロ。
サビに近づくにつれ音が重なり、サビの「もしも時を飛べるなら」のフレーズは最大に盛り上がる。
この曲にはこの編曲がすごくあっている。

そしてサビにも出てくる「もしも時を飛べるなら」というフレーズ。
これは言葉の通り、時間を元に戻すことができるならばということ。

夢をつかむために離れ離れになった二人。
そしてほつれてしまった糸。
それを元に戻すことは難しい。

切実な思いが歌詞から、そして歌声から伝わってくる名曲。
今までのイメージを覆すこの曲を聴いて、彼らの魅力が益々深まった。

だが、リリース間隔が空きすぎていただけでなく、大きなタイアップもなかったこともあり売り上げは低迷。
これだけの名曲があまり多くの人に聴かれなかったことが非常に悔やまれる。

続いてまた10ヶ月とリリース間隔を空けて「Friend/TIME」をリリース。

「Friend」は恋の歌が多い彼らとしては珍しく友情を歌った一曲。
彼ららしいメロディと詩で聴いていると優しい気持ちになってくる。

「TIME」は大人びた恋模様が印象的な曲。
僕から君への直球の想いが多かったが、別れた相手に巡り合わせないでと願うなど、その想いに相手への気遣いがある。

歌詞もそうだが、1番のサビ前まで伴奏がピアノだけだったり、後半で大胆にストリングスが入るなど、なかなか挑戦的な一曲。

両A面ではあったが、セールス的には前作よりも大きく落としてしまう。
そしてここからしばらく大きな動きが見られなくなる。

リリースを心待ちにしている身としてはこの期間は不安以外の何者でもなかった。

2009年1月、その不安が遂に現実のものとなってしまう。
公式HPで解散が発表されたのである。

そして最後のリリースとなるアルバム「青いベンチ〜好きだった…誰にも言えない恋だった〜」。

シングルは「TIME」を除いて全て収録されただけでなく、ミニアルバム「Smile」から多数収録されるなど、内容は本当の意味でのベストアルバム。
とはいえ新曲も「君といた部屋」、「白い街角」、「桜咲く頃」と3曲収録されている点は嬉しい。

しかもこの3曲がどれもシングルになってもおかしくない内容で、特に「白い街角」の冬の空気感を含んだ繊細な楽曲はかなりの名曲だ。
これだけの楽曲をまだ持っていたにも関わらず、解散という選択をしなければいけなかったのは寂しい限り。

アルバムリリース後の2009年4月4日。
Shibuya O-EASTでのライブを以って解散。

2004年4月の「青いベンチ」リリースからわずか5年。
リリース作品を見返してみても、シングル5枚、ミニアルバム1枚、アルバム1枚とまだまだ少ない中での出来事だった。

だがその分一つ一つのクオリティは圧倒的に高く、どれも素晴らしい作品ばかりだった。
最後まで「青いベンチ」のイメージが強くあったことは拭えないが、それだけではないことがこの記事から伝われば幸いだ。


ちなみに、今回サスケの記事を書こうと思ったことには理由がある。

この記事を読んでいる方ならご存知かと思うが、2014年4月15日にサスケは再結成をしている。
そして10周年を記念したアルバム「sasuke」を先日リリースしたのである。

このアルバムのレビューを書くにあたり、一度サスケの歴史を振り返ってみようと思い、今回の記事の作成に至った。

というわけで、ここからはこのアルバム「sasuke」のレビューをお届けしようと思う。


まずはおかえりという言葉を贈りたい。
そして復活一作目でこんな素晴らしい作品を届けてくれたことにも感謝したい。

「sasuke」というユニット名を冠した今回のアルバムは、全12曲中新曲が11曲というこの復活したサスケの今を詰め込んだ渾身の作品。
今までのアルバムよりいい意味で素朴さ、新鮮さがあり、サスケのファーストアルバムを聴いているような気持ちにさせてくれる。

アルバムの一曲目を飾るのは「青いベンチ -10th Anniversary-」。

サスケのデビュー曲でもあり代名詞でもある名曲を再レコーディングした一曲。
今聴いても色あせないメロディは流石の一言。

そしてこの曲は、サスケからの"ただいま"のメッセージでもある。
つまり、ここからは新曲が次々と出迎えてくれる。

その一曲目は「青いラブソング」。
"青い"と付いていることからも「青いベンチ」と関係があることが伺えるが、アンサーソングというわけではない。

「青いベンチ」に夢中になっていた頃を思い出し、今でもあんな純粋な気持ちでいられるかなと思いつつ、ただ懐かしむのではなくそんな青春も含めた今のラブソングを届けようという想い。

その姿はまさに、復活してこれからまた始めていこうという彼らの決意そのもの。
キャッチーなメロディに二人の絶妙なハーモニーも加わり、最高の一曲に仕上がっている。

これはサスケの新たな代表曲になりそうだ。

決意という意味では続く「Good Day & Bad Day」も印象が強い。

自分自身の葛藤を描きながらも、ここで負けたくない、もう一度ガムシャラに歌ってBad DayをGood Dayにしたいという強い想い。
歌声からも力強い想いが伝わってきて、しみじみと心に響いてくる。

こういう曲が歌えるようになったのも、今のサスケの一つの強みだろう。

ここまで聴いて、歌詞の面で今の心情を表したような楽曲が多く、軸は変わらないものの今までと一線を画す内容になっていることがわかる。
それは歌詞はもちろんのこと、メロディやサウンドの面からも見て取れる。

「枯れない赤いバラ」や「ファイトの旗 〜僕らも日本代表!〜」では軽快なリズムと明快なメロディ、「ああ、恋しくて」では大人の色気で魅せてくれたかと思えば、「ラブ・アクチュアリーを観た日 〜いつかの追憶〜」で女性目線の歌詞で魅了。
でもそんな中に「「じゃあね。」」や「プレゼント」のような"らしい"曲もありつつ、「旅人の詩」や「My Song, Your Song」のような今を表すような曲もアルバム後半に待ち構えている。

そして最後は奥山さん作詞作曲のライブ感全開の「Hey みんな!」。
ストリート出身の彼らにとってこのライブ感はまさに原点であり、この曲を聴くとサスケが帰ってきたことを改めて実感できる。

以前からのファンからすれば懐かしくもあり新しくもあり、初めて聴く人にもサスケはこんなにも心に響く曲を歌っているんだと感じられる一枚。
サスケ至上最高の一枚と言っても良いこのアルバムから、サスケの新しい旅が始まる。


以上がレビューです。

もしこのレビューで「sasuke」を手にとってくれたら嬉しい。
そして、以前の曲も聴いてみようと思ってくれたら、また嬉しいです。
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