声優・降幡愛さんの2ndミニアルバム。
前作「Moonrise」からわずか3ヶ月でリリースされた本作。
前作同様に80年代シティポップを感じさせるが、前作が夜に絞っていたのに対し、本作は色々なタイプの曲を持ってきていて、より趣向を凝らしたディープな仕上がりになっている。
印象が強いのはリード曲「パープルアイシャドウ」。
イントロのシンセの音から溢れ出す80年代。
ちょっと無機質な歌い方とMVの踊りの雰囲気からWinkを連想させるなど、細部まで80年代への拘りが詰まっている。
これはある意味正統派の系統だが、ミニアルバムでは色んな挑戦をしていて、中国音楽的な雰囲気を取り入れた「桃源郷白書」であったり、歌謡曲テイストが入った「ルバートには気をつけて!」があったかと思えば、前作の「CITY」を彷彿とさせる疾走感と緊迫感を持った「SIDE B」もある。
この「SIDE B」というタイトル。
直訳すればB面という意味なのだが、これが今作のキーワードかなと思う。
B面と言ってもA面になれなかったという意味ではなく、A面では出来なかった新しいアプローチや遊び心が出ているという意味。
前作が夜中心だったのが今回は夜に拘らないとか、「SIDE B」が「Yの悲劇」のアンサーソングっぽかったり、前作「CITY」の延長線上にありながら違う顔を覗かせる作りをしているのが面白い。
80年代音楽への敬意と愛。
まだまだその可能性はありそうだ。
ちなみに、こちらで「パープルアイシャドウ」が視聴できます。