「STARTING OVER」から2年ぶりの7thアルバム。
所属事務所アミューズを離れてから初めてのアルバムということもあり、色んな意味でかなり挑戦をしている印象だ。
一曲目は社会風刺を歌うような楽曲が多かったが、今回の「八卦良」はかなり意味深。
リアリティのある言葉を淡々と歌いあげながらも、サビの最後に"FUCK YOU"とかなり直接的な言葉を選んでいることに、やりきれない強い想いを感じずにはいられない。
ただ、ここまで強い言葉を選んでいるのはこの一曲だけ。
他の楽曲を見ると、ラブソングが意外なほど多く、その点でも今までとは違う印象を与えてくれる。
とはいえ、真っ直ぐなラブソングというではなく、少し捻じれた関係が目につく。
「room」は特に印象的で、表と裏の感情をR&Bテイストで少し怪しげに聴かせるのは意外だった。
今回アレンジャーに色んな人を起用していることもあり、アレンジの面でこのような意外な一面を見せるのもこのアルバムの特徴だ。
「自由が丘」のようなピアノ弾き語り、河野圭さんが編曲した「CLOSE CONTACT」はストリングスを織り込んだポップな楽曲に仕上がっているし、「フライドポテト」ではカントリー調、蔦谷好位置さんが編曲した「one stroke」は伸びやかで爽快な仕上がりで心地よく聴かせる。
かと思えば「東京うんこ哀歌」のように"うんこ"を繰り返す衝撃的なロックナンバーがあったり、その表現は実に多彩。
でもこれだけアレンジが変わっても"高橋優"が確かに芯にあるので、決してブレたものにはなっていない。
ジャケットで眼鏡を取ったことが話題になったが、眼鏡を取っても高橋優であるように、アレンジが変わってもそれは高橋優なのだ。
違う角度、違う表現で聴かせることで見えた高橋優の個性=PERSONALITY。
それを存分に楽しませてくれる一枚。
ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
one stroke
room
自由が丘