EARNIE FROGsの3rdミニアルバム。
今までの印象を変えるような新鮮さ。
それと同時に、彼らの人間味が感じられるような作品にもなっている。
始まりの「36.7℃」からそれを感じることになるだろう。
タイトルと音の雰囲気からは高揚感のある微熱のことなのかと思っていたのだが、歌詞を聴いていると少し雰囲気が違う。
生きる意味への葛藤。
特に"そもそも望んで生まれた訳じゃない"の言葉は強く響いてくる。
ただ、後ろ向きなわけではない。
かといって前向きというわけでもない。
確かにここにある"今"生きることで、未来へと繋がるかもしれない。
答えは見つからないけど、生きていこうとする姿に、色んなことを考えさせられる。
音色の微熱と言葉の葛藤。
それらは混ざり合ってはいないのだが、だからこそ生まれる混沌に、何故か耳を離すことができない不思議な力を持っている。
タイプは違うが、「ヴァニラ」も不思議な力を持った楽曲だ。
音色と歌声から醸し出される妖艶さ。
ここから感じさせるのは洗練された美しさ。
音の派手さは無いのだが、優しいメロディと流れるような展開で惹きこんでいく。
楽曲としての魅力と魔力を秘めているからこそできる、シンプルな名曲になっている。
それとは反対に複雑な音にキャッチーなメロディを掛け合わせた「バタフライ」のような楽曲があったり、少し懐かしいロックンロールを聴かせる「little high」があったりと、ミニアルバムの中で次々と新しい魅力と輝きを聴かせてくれる。
ここでふとアルバムのタイトルを思い出した。
「Orange glitter」
それぞれの楽曲が放っている人間味のある温かい光の色と、それらが生み出すきらめきが見事に表れた良いタイトルであり、その名の通りの一枚だ。
ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
36.7℃
バタフライ
little high
Ring Tone
ヴァニラ
Rock Radio