the seadaysの1stフルアルバム。
帯に書かれている「すべての17才へ」の言葉。
それが物語るように、17才へ向けた想いが散りばめられている。
とはいえ、描かれているのはキラキラしたものではなく、もっと内向きで陰を含んでいる。
色んなことが見えてくるからこそ、関係や比較で自分の存在意義や価値を見失いそうになる。
特に印象が強いのは「nonsense is good」。
タイトルだけでも気になる曲。
奇抜なことをして目立つ存在もあれば、解決ではなく解消だけで済まそうとする雰囲気があったり。
どこか狂っていて息苦しい時間と空間ばかりだと感じている。
でもそれに抗うのではなく、あえて流れに身を任せて過ごして、いつか一歩を踏み出そうという姿に自分を重ねる人も多いのではないだろうか。
一見爽やかそうに聴こえつつも、どこか悩みを感じさせるような歪みを含ませた音色と、綴られた感情を吐き出すように響かせる歌声が重なり合い、聴き手の心を揺さぶるような一曲になっている。
「街」も近いイメージのある楽曲。
こちらはもっと静かに感情を吐露しているのが印象的。
最後のコーラスと"息している"のフレーズは特に印象深く、単純な言葉だけではない生きていることへの想いを感じさせてくれる。
冒頭で「すべての17才へ」のことに触れたが、17才はもちろんのこと、17才だった自分、これから17才になる人にも響く言葉が音楽で綴られた一枚。
聴いてみて欲しい。
ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
nosense is good
街
いつかの夏
AONATSU