2018年09月30日

「ALL TIME BEST」 homme

今回はhommeの「ALL TIME BEST」を紹介します。
homme初のベストアルバム。

「ALL TIME BEST」。
この発売をどれだけ心待ちにしていたことか。

hommeを知ったのは割りと最近なのだが、メロディの耳なじみの良さ、シンプルながら印象のある編曲と演奏、秋山さんの素朴だけど芯のある歌声とどれを取っても素晴らしいものだった。

そんなhommeが今年の初め、クラウドファンディングで「ALL TIME BEST」を作る企画を始めた。

とはいえ、あまり支援者が伸びず、企画失敗で終わりそうな予感も出始めていたのだが、終了一週間ほど前になって一気に伸び始め、土壇場での大成功というドラマのような展開は感動ものだった。

そんな紆余曲折のあった「ALL TIME BEST」が遂に完成。

2006年から2017年までに生み出された150曲あまりの曲の中から厳選したという30曲は珠玉の楽曲ばかりだ。

始まりは3rdシングルの「light of the exit」。
「the past days」に収録されていたので発売前に耳にしていたのだが、明らかに当時より良くなっていることに気づいた。

今回ほぼ全ての楽曲を再録していて、今の演奏力・歌唱力で楽曲を楽しむことが出来るわけだが、楽曲というより一つの歌として非常に深みが増しているように感じた。

その深みが加わったことで、楽曲の良さは当時のままに、更なる名曲へと昇華している。
この1曲の時点でこのアルバムの完成度はほぼ約束されたと言って良い。

1曲1曲取り上げるとキリがないのだが、せっかくなので少しだけ取り上げたい。

hommeは初期のロック路線と、「記憶旅行」以降のポップ路線で楽曲の雰囲気が異なる。

初期の楽曲だと独特の緊迫感と焦燥感を持った「2月」、聴き馴染みの良さの奥に秘めた怪しげなを醸しだす「Beautiful Pain」、混沌を纏いながら駆け抜けていく怪しげなダンスナンバー「モルヒネダンス」は非常に存在感があった。

哀愁と力強さが混ざり合う名曲「モーニングムーンが見えない」や、陰のあるメロディと王道の進行に心を掴まれる「reverse」、そんなに速いテンポでは無いものの、どこか全てを忘れて吹っ切れたい欲望が渦巻く「もっとレッドアイ」の疾走感も珠玉。

繊細な音色と歌声で届かない想いを響かせる「if」、硝子のように透明で触れたら壊れてしまいそうな世界観を漂わせる「儚いこと」のようなバラードも素晴らしいものばかり。

「記憶旅行」以降はポップ系の楽曲がメインにはなっているものの、「この夜が明けるまで」の陰のある疾走感を持った楽曲であったり、「流転」のようなイントロのアコギとコーラスから怪しげな雰囲気を漂わせて一気に惹きこんでいく楽曲など、路線変更後も楽曲は多岐にわたっている。

また、2006年から2017年まで各年代の曲が満遍なく入っているのに、全く違和感が無いというのも面白いところ。

再録という形で2018年という今に全ての楽曲が並んだというのはあるが、メロディの良さであったり、編曲の巧みさであったり、何より歌を届けようとする芯の部分が変わっていないことが大きいのではないかと思う。

homme初のベストアルバム。
「ALL TIME BEST」と銘打っているが、実は全国流通盤としては「混結花」以来2枚目。

hommeの12年の歴史を振り返りつつ、ここから始まるための一枚。

山陰からの発信にこだわるロックバンドhommeをよろしくお願いします。

ちなみに、こちらでトレーラーが視聴できます。

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2018年09月23日

「Appartement」 ほたる日和

今回はほたる日和の「Appartement」を紹介します。
ほたる日和の3rdフルアルバム。

本当に久々のほたる日和の音源。

音源としてはオムニバス「東京のうた。」の「恋愛メトロ」以来。
単独リリースとしては「センチメンタルマインド」以来7年ぶりとなる新作。

メンバーの脱退・加入を経て、新たな体制となったほたる日和の作品はかなり新鮮だった。

先行でMVの公開されていた「とるものもとりあえず」がその最たるもので、ほたる日和らしいセンチメンタルな雰囲気とメロディは確かに健在なのだが、デジタルな音が入っているのがとにかく印象に残る。

今までのポップさや叙情的な音とは違い、デジタルな音が入ることで独特の浮遊感と混沌とした深みが加わっている。
音が変わることで、ほたる日和の印象は大きく変わったと言って良い。

「蒼写真」や「anocomuri」も同じくデジタルな音が入っていることで、かなり印象に残っている。

これだけを見ると完全に路線変更をしたようにも見えるが、今までの良さを感じる楽曲も存在感を放っている。

「あなたが好きって言いたくなった」や「好きな色だけで作られた毎日じゃないから」はキャッチーなメロディと柔らかい音色で紡がれていて、以前のようなポップさを感じることができる。

「あおい」や「染色アラウンド」のような繊細で陰のある楽曲も彼ららしい魅力の詰まった楽曲だ。

かと思えば、グルーヴ感の心地良い「蜜と密」のような怪しげな楽曲があったり、独特のリズムで駆け抜けていく「ジュブナイルフィッシュ」のような新鮮な浮遊感漂う楽曲もあったりするから、全く飽きさせない。

最後の「恋愛メトロ」はオムニバス「東京のうた。」に収録されていたものだが、この変幻自在のアルバムの最後を飾るにはこれしかないというくらいの楽曲。

キャッチーなメロディと柔らかい音色に少しの哀愁を添えて。
これはほたる日和のアルバムなんだと言わんばかりの存在感で、最後に心地良い余韻を残す。

今までの良さを残しつつ、新たな世界の扉を開いたほたる日和の新境地。
色んな意味できっと驚くはずだ。

ちなみに、こちらで「とるものもとりあえず」が視聴できます。

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2018年09月16日

「短篇小説」 櫻井里花

今回は櫻井里花さんの「短篇小説」を紹介します。
櫻井里花さんの1stシングル。

「短篇小説」を初めて聴いたときは衝撃だった。

始まりから漂う、張り詰めて凛とした空気。
その中で描かれているのは、別れを機に自分の人生を少し悲観的に"短篇小説"と表現し、ページを閉じようとする主人公の心情。

これを感情が滲み出るような歌声で響き渡らせていることで、主人公の心情が痛いほど伝わってしまう。

全編を通して暗く深い雰囲気のまま進んでいくが、サビの最後でページを進めようとしていることで、少し希望を感じるような余韻を与えてくれるのも、この楽曲が聴き手を惹きつける魅力の一つだろう。

櫻井里花さんの1stシングル。
一瞬でも聴けばその世界に吸い込まれ、惹きこまれてしまう圧倒的名曲がここにあります。

ちなみに、こちらで視聴できます。

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2018年09月09日

「東京」 Academic BANANA

今回はAcademic BANANAの「東京」を紹介します。
Academic BANANAのデビューEP。

『これが平成世代の創るネオ歌謡曲。』
帯のこのフレーズが全てを物語っているなと思った。

ただの歌謡曲ではなく、ネオ歌謡曲。
ここはMVも公開されている「ミッドタウン」を聴くと見えてくる。

怪しげな雰囲気を漂わせながら真夜中を駆け抜けていくような楽曲なのだが、よく聴くとロックやジャズのテイストも入っていて、一筋縄ではいかない音空間と展開、演奏で魅せてくる。

そういう音楽的な格好良さはもちろんあるのだが、この楽曲の存在感を更に高めているのは、どこか懐かしい歌謡曲を彷彿とさせるメロディの良さだろう。

懐かしさを感じるのに古さではなく現在を映し出す音楽。
これこそがネオ歌謡曲と表現される所以。

それを軸に持ちながら、様々な表現で魅せてくれるのがこの「東京」というEPだ。

東京という華やかな街の繁栄と虚無感を描いた「Tokyo Dada City」はグルーヴ感で魅せ、上京の期待を乗せた"のぞみ"での想いと、都会の暮らしの中でその先にある"望み"を重ねる「のぞみ」では繊細さで聴かせる。

サックスの音は入らないが、ジャジーな雰囲気で酔わせる「Sexy Station」、優しく幸福感を漂わせる「雨上がりのKiss」、小気味良いリズムとメロディ展開で高揚感を聴かせる「5G〜在るが儘に我が儘に〜」、必ずしも上手く行っているわけではないけど、嘘のない人生を送っていることを両親への感謝とともに歌う「東京」が最後に心地良い余韻を残す。

"東京"という都会を舞台に描いた7つの物語。
それをネオ歌謡曲という音楽で表現することで、今までに無い新しい世界を見せる珠玉の一枚。

是非聴いてみてほしい。

ちなみに、こちらで「ミッドタウン」が視聴できます。

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2018年09月08日

Moonlight J-POP 18年7月篇

今回はサブコンで発表した、2018年7月度のマイベスト10を紹介します。
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posted by micarosu at 11:18| Comment(0) | Moonlight J-POP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする