2018年07月29日

「何色の何」 空想委員会

今回は空想委員会の「何色の何」を紹介します。
空想委員会のメジャー3rd EP。

音楽×アニメ。

今回三浦さんが原作を担当した短編アニメーション「何色の何」。
その挿入歌を収録したのが今作だ。

楽曲の話をする前に、アニメのほうの話をしてみよう。

絵描きの"かなた"と、その絵を好きだと言ってくれた"遥"。
互いに好きな気持ちを持っていたものの、その方向が少しずつずれていき、最後には離れていってしまう。

その物語を支えつつ、色を与えてくれるのが空想委員会の音楽だ。

原作も楽曲も作成しているだけのことはあり、その親和性の高さは圧倒的。
この流れでこういう音楽が来て欲しいというところを的確についていのが印象的だった。

ここで改めてEP作品の「何色の何」を聴いてみると、不思議なことにアニメで観た情景が鮮明に映し出されてくる。

先にアニメを観たからということも少なからず影響はしているものの、実のところそれ以上の情景が浮かんでくる感じだ。

「宛先不明と再配達」はその最たるもので、柔らかなギターの音色から始まり、一つ一つの言葉を丁寧にメロディに乗せていく。

その言葉には"ありがとう"と"ごめんなさい"が混在していて、ずっと迷い、さ迷いながら生きているのだけど、それらを含めて君に想いを届けたいという真っ直ぐな気持ちへ行き着くのが心地良く響く。

同じく挿入歌である「マイヒーロー」は、少しだけ内向きの感情が前に出ている。

君の存在が強く輝いていることで、自分が相対的に弱い存在であるように思い込んでしまっている。
それでもその輝きに魅せられて、少しずつ強く生きていこうとする姿を描いていて、優しいメロディと歌声が全てを包み込んでくれるのを聴くと、どうしてもグッときてしまう。

挿入歌として使われているのはこの2曲だけなのだが、残りの2曲も物語を彩っている。

「ベクトル」は二人の日々の断片と感情の揺れ動きが表現された、ドラマ性と疾走感を持った格好良い楽曲。

明確にその言葉は出てきてはいないが、アニメ本編で何度も出てくる「何色の何?」という言葉が二人を繋ぐために必要なものだったことが滲むように伝わってくる。

「エール」は"遥"の気持ちを体現したような楽曲。

一番近くにいるからこそわかる負の感情に対して、何かをしてあげたいという真っ直ぐな想いと、本当に届いているのか不安になる想いが溶け合わずに渦を巻いている。
それでも絶対届くはずだと純粋に前を向こうとする姿には、格好良さと強さを感じさせてくれる。

曲順で言えばこの後に「マイヒーロー」が続くので、このマイヒーローというのは"かなた"に対する"遥"のことだとわかる。
こういう気付きが生まれるのは、アニメと音楽の融合という中で、最高の形ではないだろうか。

音楽を届けるために生まれたアニメが、音楽を更に彩っていく。

空想委員会が仕掛けたこのプロジェクトの素晴らしさを是非感じてみて欲しい。

ちなみに、こちらから短編アニメーション「何色の何」が視聴できます。

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2018年07月22日

「TOP OF THE WORLD」 FUNKIST & 二人目のジャイアン

今回はFUNKIST & 二人目のジャイアンの「TOP OF THE WORLD」を紹介します。
FUNKISTと二人目のジャイアンによるスプリットミニアルバム。

熱量と格好良さ。
聴いた瞬間から別格だった。

FUNKISTと二人目のジャイアンという生粋のライブバンドがタッグを組んだ今回の作品。

"Get a TOP OF THE WORLD"
歌いだしから彼らがタッグを組んだ意味を全力でぶつけてくる。

両バンドともメロディの良さは折り紙つきで、そこにFUNKISTと泥臭さと繊細さ、二人目のジャイアンの華やかさと躍動感が加わることで、唯一無二の楽曲に仕上がっている。

元々この楽曲メインのシングルとしてリリースする予定だったようだが、思っていた以上に良い楽曲が生まれたということでミニアルバムになったこともあり、他の楽曲も非常に聴き応えがある。

ホーンの音色が残す余韻が心地良い名バラード「#君に届け」に、それぞれのバンドが音色の世界でバトルを繰り広げるような焦燥感と躍動感を持ったインスト曲「Asian Sunrise」。

わずか2分ちょっとの時間に彼らの魅力をギュッと詰め込んだ華やかな「Never Give Up」に、少し力を抜いたようなゆるさの中でも魅せるところは魅せる「オシャダンのテーマ」。

個性と個性がぶつかりあうことでできた名盤。
充実すぎる内容で、もっと聴きたいと思わせてくれるほどの一枚だ。

ちなみに、こちらで「TOP OF THE WORLD」が視聴できます。

posted by micarosu at 23:44| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月15日

「COALAMODE.2〜街風泥棒〜」 コアラモード.

今回はコアラモード.の「COALAMODE.2〜街風泥棒〜」を紹介します。
コアラモード.の2ndアルバム。

「大旋風」、「花鳥風月」の衝撃。
このシングル2曲は、これまでの彼らのイメージを大きく変えた。

この流れでリリースされたのが今回のアルバム。
どんな内容になるか気になって聴いてみると、そこにあったのは王道のポップスの数々だ。

「トライアゲイン」という非常に爽やかで綺麗なポップナンバーに始まり、ちょっと懐かしさを含んだフックのあるメロディの「恋愛定規」へと続き、ここで早くも「花鳥風月」の登場。

凛とした空気感を漂わせながら、壮大な音色と大地に根付くような力強い歌声がその真ん中を突き抜けていく名曲。

アルバムの最後に置いてもおかしくないくらいの壮大さを持ち合わせているだけに、曲順を見た時はこの位置ではどうなのだろうとも思ったが、聴いてみるとここしかないだろうというくらい秀逸な掴みの3曲となっており、これを聴いたら最後まで耳を傾けないわけにはいかない。

ここからはよりポップな楽曲が並ぶ。

「バードマン」、「ごらんください」の心地良いナンバーをはじめ、思わず体が動き出してしまいそうなリズムとテンポが引っ張る「ホップステップジャンプ」、童謡のような耳なじみの良さを持った「どろぼう猫」に、次々と動物たちが出てくる愛くるしい「気球にのって」。

「大旋風」のような格好良いバンドサウンドで疾走するナンバーや、綴られた言葉が魅せる心情描写と繊細なメロディが耳に残る「僕に足りないものは」のような上質なバラードナンバーが入ることで、相互に楽曲の良さを引き立てあっているのも非常に良い。

これぞ王道のポップス。
その中にコアラモード.らしさを詰め込んだ珠玉の一枚。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
大旋風
花鳥風月

posted by micarosu at 21:51| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月08日

「櫛」 PARIS on the City!

今回はPARIS on the City!の「」を紹介します。
PARIS on the City!の1stシングル。

イントロの音色を聴いたとき、すごく王道のポップさを持った楽曲だなと感じた。

そのポップさを保ったまますごく爽やかな雰囲気も漂わせながら進行していくのだが、よく歌詞を聴いてみると、"悲しいメロディ"であったり"最悪で最高の彼女"といった意味深な言葉が次々と出てくる。

その陰の部分はサビのマイナー調への展開と繋がっていく。

ここまでの爽やかさとは違い、少しの妖艶さを持っているのだが、真ん中を行くメロディがとても綺麗なため、不思議な心地良さを感じながら聴く人の心を一気に掴んでいく。
この展開がとても絶妙だし最高だ。

王道のポップももちろん素晴らしいのだが、この楽曲のようにどこか少し歪んでいるからこそより活きるポップさ。
それが人を惹きつける名曲。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 21:23| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月01日

「歓声前夜」 SUPER BEAVER

今回はSUPER BEAVERの「歓声前夜」を紹介します。
約2年ぶりのフルアルバム。

「歓声前夜」
すごく印象的なタイトルだ。

歓声が起こる前の夜。
このアルバムはまさにそのタイトルの通りで、これから歓声を起こすための一歩を踏み出す言葉が数多く並んでいる。

「ふがいない夜こそ」の"不甲斐ない夜こそ本当は出口だ"に始まり、あなたの声を聴かせてと歌う「虹」に、今できることを躊躇わないでと歌う「閃光」。
始まりのこの3曲を聴けばその意味がわかるのではないだろうか。

更に聴き進めると、アルバムにはもう一つの面があることに気づく。
それは"幸せ"だ。

今作ではこの"幸せ"という直球な言葉が何度も出てくる。

その中でも核となるのがその名も「シアワセ」。

静かな始まりから徐々に音と歌声の熱量が上がっていく名曲。
かなりの存在感を放つ楽曲なのだが、最近の楽曲ではないよなと思って調べてみたら、メジャー時代のシングル曲の再録とのこと。

この楽曲をあえて今持ってきたこと。
それはタイトルの通りの"幸せ"をこのアルバムを通して感じて欲しい想いがあったのかもしれない。

また、この楽曲の配置はすごく重要で、ここで高まった幸福感を持ったままシングル曲でもある「美しい日」、幸せと歓声というアルバムの中心的なテーマの楽曲「嬉しい涙」と流れていく展開は最高の言葉しか出て来ないほど素晴らしい。

最後は「全部」がこれら全ての想いを受け止めて心地良い余韻を残すのも一つ聴きどころ。

歓声への一歩と幸せ。
その大きなテーマについて、非常に熱く真摯に聴いてくれる"あなた"に歌う一枚だ。

ちなみに、こちらでアルバムのトレーラーが視聴できます。

posted by micarosu at 22:13| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする