北川修幹さんのデビューアルバム。
お洒落な音楽でありながら、どことなく等身大の親しみを感じる音楽。
北川修幹さんの音楽はそんな感じだ。
それは、リード曲である「ホントのコトバ」を聴くと気づくだろう。
思わず体が動いてしまうリズムとグルービーなサウンドに耳に残るメロディラインと、お洒落な音楽の要素を全て兼ねそろえておきながら、北川さんのどこか少年っぽさのある親しみのある歌声がこの中を響き渡ることで、お洒落だけど等身大という今までにない音楽となった名曲。
この楽曲がアルバムの始まりを告げるわけだから、この先の楽曲が楽しみにならないわけがない。
よりお洒落さを増した甘い音楽が印象的な「ぐるぐる」、独特なリズムの中にゆらゆら揺れる心の動きを描いた「ゆれる」、坦々とした進む展開の中にシンプルな想いを綴った「スナフキンになりたくて」と次々に覗かせる顔の表情が豊かでたまらない。
ここに続く「ラストダンス」がアルバムの中でも注目したい。
「ホントのコトバ」に負けず劣らずのグルーブ感にトランペットが入るなどジャズ的な要素が上質な空間を演出しているのだが、ポップなメロディと歌声が流れていくことで、最後まで優雅でありながら心地良く聴かせてくれる楽曲になっているのが面白い。
そして、感情のこもった歌声が耳に残る「ルール」と、少し民族音楽的な印象を持った「小人たちの演奏会」という静かに聴かせる楽曲が後に控えていることで、よりそれぞれの音楽の輪郭がはっきりしてくるのも聴きどころ。
どの楽曲もずっと聴いていられるほどの楽曲ばかり。
これは良いアルバムだ。
ちなみに、こちらで「ホントのコトバ」が視聴できます。