今回はSUPER BEAVERの「らしさ/わたくしごと」を紹介します。
「らしさ」はアニメ「ばらかもん」オープニングテーマ。
自分らしさってなんだろう?
他人には負けないことだったり、他人とは違う生き方をしていることだったり、そういうことを考えてしまって、それがないことに悩んでしまったり。
でも実はそれは探す必要もなくて、生まれながらにして持っているものではないか?
そんな想いが「らしさ」には綴られている。
それを全身全霊の歌声とエモーショナルなロックサウンドで響かせる。
そこから生まれる音楽は、力強くも優しく聴き手の心を揺さぶる。
SUPER BEAVERの熱量には毎度驚かされているが、今作は過去最高と言ってもいい名曲。
一方の「わたくしごと」も「らしさ」とテーマは近いが、少しトゲのある言葉で畳み掛けてくる。
力強く攻撃的なサウンドにも惹かれるように聴いていると、その中に見せる優しさの姿にいつの間にか勇気をもらっている。
その言葉の持つ力もさることながら、聴き応えあるサウンドも含めて何度でも聴いてしまいたくなる一曲。
「らしさ」、「わたくしごと」とアプローチはわずかに違えど、どちらも素晴らしく熱量の高い楽曲。
2曲しか入っていないとは思えないほど充実した内容の一枚だ。
ちなみに、こちらで「らしさ」のMV、こちらでトレーラー映像が視聴できます。
2014年09月28日
2014年09月25日
2014年09月21日
「Nostalgia」 doriko feat. 初音ミク
今回はdoriko feat. 初音ミクの「Nostalgia」を紹介します。
dorikoさんのコンセプトミニアルバム。
本当に待ってました。
ベストアルバム「花束〜the best of doriko feat.初音ミク〜」から2年半、オリジナルで言えば「ロミオとシンデレラ」から3年9ヶ月ぶりのリリースがまず嬉しい。
そしてその期待を裏切らないのは、流石のdorikoさんである。
今作には「Nostalgia」というテーマに沿った全8曲が収録されている。
アルバムの始まりは「Memories -Instrumental-」から。
どことなく終末感・喪失感を演出する静かな時計の音が逆にアルバムへの期待を高め始め、後半へ向けて重なる音でその期待は最高潮になる。
その展開はさながらライブ前の演出のよう。
そこから「コペルニクス」の骨太ギターロックに電子音を散りばめた独特の空気感のインパクトを聴かされたら、惹きこまれずにはいられない。
続く「紙飛行機」はイントロのギターのノスタルジックな音色がいきなり名曲を予感させる。
大人になって出来ることも増えたはずなのに、自分の範囲を超えられないもどかしさを紙飛行機に重ねた歌詞と耳に残るノスタルジックなメロディも素晴らしく、聴き終えたときイントロで予感した名曲を遥かに超える名曲であったと感じることになるだろう。
「文学者の恋文」は繊細なメロディとバイオリンを取り入れた壮大なバンドサウンドに吸い込まれるように聴き込んでしまう。
主人公の一途な想いを綴った言葉に文学的な美しさを感じつつ、最後のサビの展開と盛り上がりには自然と魅了されることだろう。
「セーラー服と」、「Electric Sheep」とサウンド的にも言葉的にも攻撃的でトゲがある楽曲を聴かせてくれたかと思えば、アルバム後半はdorikoさん節全開な楽曲が並ぶ。
「桜の社」はdorikoさんらしいメロディとピアノの音色が印象的。
dorikoさんの初期の楽曲を知っている人からも馴染みやすい楽曲ではあるが、何よりサウンドが今までにないくらい厚みを増しているので、実は馴染みやすさというよりは聴き応えがある一曲。
「Birthday」はシンプルな構成で、綴られた言葉が耳に残る。
新たに生まれた命に対する愛情を持った言葉は、決して大げさではなく誰もがそうだと思えるものだ。
全ての人がこの言葉のような愛情を持っていれば、どんなに良いことか。
それを気づかせてくれる一曲。
アルバムを通してみてみると、Nostalgiaのタイトルの通りの楽曲が並んでいるが、その中に色んな感情を見せてくれながらも、最後は希望を持った歌を持ってきていることで、温かい気持ちで聴き終えることが出来る。
メロディやサウンドの進化もさることながら、大事に綴られた言葉も聴いてもらいたいミニアルバムだ。
ちなみに、こちらでミニアルバムのクロスフェード動画が視聴できます。
dorikoさんのコンセプトミニアルバム。
本当に待ってました。
ベストアルバム「花束〜the best of doriko feat.初音ミク〜」から2年半、オリジナルで言えば「ロミオとシンデレラ」から3年9ヶ月ぶりのリリースがまず嬉しい。
そしてその期待を裏切らないのは、流石のdorikoさんである。
今作には「Nostalgia」というテーマに沿った全8曲が収録されている。
アルバムの始まりは「Memories -Instrumental-」から。
どことなく終末感・喪失感を演出する静かな時計の音が逆にアルバムへの期待を高め始め、後半へ向けて重なる音でその期待は最高潮になる。
その展開はさながらライブ前の演出のよう。
そこから「コペルニクス」の骨太ギターロックに電子音を散りばめた独特の空気感のインパクトを聴かされたら、惹きこまれずにはいられない。
続く「紙飛行機」はイントロのギターのノスタルジックな音色がいきなり名曲を予感させる。
大人になって出来ることも増えたはずなのに、自分の範囲を超えられないもどかしさを紙飛行機に重ねた歌詞と耳に残るノスタルジックなメロディも素晴らしく、聴き終えたときイントロで予感した名曲を遥かに超える名曲であったと感じることになるだろう。
「文学者の恋文」は繊細なメロディとバイオリンを取り入れた壮大なバンドサウンドに吸い込まれるように聴き込んでしまう。
主人公の一途な想いを綴った言葉に文学的な美しさを感じつつ、最後のサビの展開と盛り上がりには自然と魅了されることだろう。
「セーラー服と」、「Electric Sheep」とサウンド的にも言葉的にも攻撃的でトゲがある楽曲を聴かせてくれたかと思えば、アルバム後半はdorikoさん節全開な楽曲が並ぶ。
「桜の社」はdorikoさんらしいメロディとピアノの音色が印象的。
dorikoさんの初期の楽曲を知っている人からも馴染みやすい楽曲ではあるが、何よりサウンドが今までにないくらい厚みを増しているので、実は馴染みやすさというよりは聴き応えがある一曲。
「Birthday」はシンプルな構成で、綴られた言葉が耳に残る。
新たに生まれた命に対する愛情を持った言葉は、決して大げさではなく誰もがそうだと思えるものだ。
全ての人がこの言葉のような愛情を持っていれば、どんなに良いことか。
それを気づかせてくれる一曲。
アルバムを通してみてみると、Nostalgiaのタイトルの通りの楽曲が並んでいるが、その中に色んな感情を見せてくれながらも、最後は希望を持った歌を持ってきていることで、温かい気持ちで聴き終えることが出来る。
メロディやサウンドの進化もさることながら、大事に綴られた言葉も聴いてもらいたいミニアルバムだ。
ちなみに、こちらでミニアルバムのクロスフェード動画が視聴できます。
2014年09月14日
「リインカクラウド」 ナナカラット
今回はナナカラットのアルバム「リインカクラウド」を紹介します。
ナナカラットのメジャー1stフルアルバム。
日常と空想の狭間が生み出す心地よい浮遊感。
「僕が創った世界地図」を初めて聴いたときにそれを感じ、一瞬で惹き込まれてしまった。
Asamiさんの繊細で優しい歌声と朗読に骨太のギターサウンド、そして壮大なアレンジ。
そこに日常の中で生まれた感情を描く詩が乗ることで、日常と空想の間の物語の中にいるような世界観を生み出している。
これを軸として、「いってきます」では耳馴染みの良いキャッチーなメロディを、「メガネ越しの距離」では少しダークなサウンドを、「空っぽの器」ではより骨太で攻めるようなギターの音を聴かせてくれるなど、アルバムを通して彼らの様々な世界観を堪能できる。
中でもアルバム最後「輪廻」、「エソラゴト〜見せかけの夢〜」、「歩いてゆこう」の流れが秀逸。
それまでの流れで堪能してきた魅力をこの3曲がさらに凝縮して聴かせてくれるので、まるでアルバムを2枚聴いたような満足感がある。
メジャー1stフルアルバムということもあり、彼らの今まで、そして今の魅力が詰まった一枚。
これからどんな世界観を生み出していくのか楽しみだ。
ちなみに、こちらで「僕が創った世界地図」のShort Ver.が視聴できます。
ナナカラットのメジャー1stフルアルバム。
日常と空想の狭間が生み出す心地よい浮遊感。
「僕が創った世界地図」を初めて聴いたときにそれを感じ、一瞬で惹き込まれてしまった。
Asamiさんの繊細で優しい歌声と朗読に骨太のギターサウンド、そして壮大なアレンジ。
そこに日常の中で生まれた感情を描く詩が乗ることで、日常と空想の間の物語の中にいるような世界観を生み出している。
これを軸として、「いってきます」では耳馴染みの良いキャッチーなメロディを、「メガネ越しの距離」では少しダークなサウンドを、「空っぽの器」ではより骨太で攻めるようなギターの音を聴かせてくれるなど、アルバムを通して彼らの様々な世界観を堪能できる。
中でもアルバム最後「輪廻」、「エソラゴト〜見せかけの夢〜」、「歩いてゆこう」の流れが秀逸。
それまでの流れで堪能してきた魅力をこの3曲がさらに凝縮して聴かせてくれるので、まるでアルバムを2枚聴いたような満足感がある。
メジャー1stフルアルバムということもあり、彼らの今まで、そして今の魅力が詰まった一枚。
これからどんな世界観を生み出していくのか楽しみだ。
ちなみに、こちらで「僕が創った世界地図」のShort Ver.が視聴できます。
2014年09月07日
「Catcher In The Spy」 UNISON SQUARE GARDEN
今回はUNISON SQUARE GARDENのアルバム「Catcher In The Spy」を紹介します。
UNISON SQUARE GARDENの5thアルバム。
アルバムを聴いてまず思ったのは、"おかえり"という言葉だった。
「Populus Populus」、「CIDER ROAD」とポップさが前面に出たアルバムが続いていたが、今回はそれよりも前の彼らの音に近い。
その音というのは、余計な音が少なく、ギター、ベース、ドラムという彼ら3人の音で構成されているということだ。
でも以前よりも圧倒的に音が洗練されていて、この音だけでも最高と言える。
そして3人の音で構成されているということは、同時にライブ感が前面に出ているということでもある。
そのライブ感はアルバムの始まりから全開だ。
「サイレンスインザスパイ」の攻撃的なサウンドで一気に惹きこんだかと思えば、間髪いれずに「シューゲイザースピーカー」、「桜のあと(all quartets lead to the?)」と畳みかけ、聴き手の心をキャッチして離さない。
その後も彼ららしいキャッチーなメロディはそのままに、時にハードに時に軽快なロックで攻め立てる。
中でも「天国と地獄」の変則的で攻撃的なメロディとサウンドには度肝を抜かれた。
「harmonized finale」という繊細な曲の後ということで印象が強いのもあるが、この変則的なメロディの上にロックとキャッチーさを絶妙なラインで乗せるなんてことは簡単にはできない。
作詞作曲の田淵さんのセンスはもちろんだけど、それを可能にした演奏と歌声も素晴らしいの一言だ。
こんな強烈な一曲をアルバム後半に潜ませているわけだから、アルバムを聴き進めるのが本当に楽しく、最後の「黄昏インザスパイ」まで一気に聴いてしまっている。
そして、聴き終えたときの満足感は過去最高と言っていい。
それこそ一本のライブを全力で見終わった感覚に近いかもしれない。
それくらい密度の濃いアルバム。
彼らの進化は留まることを知らない。
ちなみに、こちらから「天国と地獄」、「桜のあと(all quartets lead to the?)」、「harmonized finale」のMVが視聴できます。
↓のamazonの商品ページからも全曲視聴できます。
UNISON SQUARE GARDENの5thアルバム。
アルバムを聴いてまず思ったのは、"おかえり"という言葉だった。
「Populus Populus」、「CIDER ROAD」とポップさが前面に出たアルバムが続いていたが、今回はそれよりも前の彼らの音に近い。
その音というのは、余計な音が少なく、ギター、ベース、ドラムという彼ら3人の音で構成されているということだ。
でも以前よりも圧倒的に音が洗練されていて、この音だけでも最高と言える。
そして3人の音で構成されているということは、同時にライブ感が前面に出ているということでもある。
そのライブ感はアルバムの始まりから全開だ。
「サイレンスインザスパイ」の攻撃的なサウンドで一気に惹きこんだかと思えば、間髪いれずに「シューゲイザースピーカー」、「桜のあと(all quartets lead to the?)」と畳みかけ、聴き手の心をキャッチして離さない。
その後も彼ららしいキャッチーなメロディはそのままに、時にハードに時に軽快なロックで攻め立てる。
中でも「天国と地獄」の変則的で攻撃的なメロディとサウンドには度肝を抜かれた。
「harmonized finale」という繊細な曲の後ということで印象が強いのもあるが、この変則的なメロディの上にロックとキャッチーさを絶妙なラインで乗せるなんてことは簡単にはできない。
作詞作曲の田淵さんのセンスはもちろんだけど、それを可能にした演奏と歌声も素晴らしいの一言だ。
こんな強烈な一曲をアルバム後半に潜ませているわけだから、アルバムを聴き進めるのが本当に楽しく、最後の「黄昏インザスパイ」まで一気に聴いてしまっている。
そして、聴き終えたときの満足感は過去最高と言っていい。
それこそ一本のライブを全力で見終わった感覚に近いかもしれない。
それくらい密度の濃いアルバム。
彼らの進化は留まることを知らない。
ちなみに、こちらから「天国と地獄」、「桜のあと(all quartets lead to the?)」、「harmonized finale」のMVが視聴できます。
↓のamazonの商品ページからも全曲視聴できます。