2019年10月13日

「信じ続けることで失うものなんて何もないよ」 Blueglue

今回はBlueglueの「信じ続けることで失うものなんて何もないよ」を紹介します。
Blueglueの1stフルアルバム。

何だろう、この懐かしい感じ。

すごく温かくて、優しくて、とても心地がよい。

その理由を探ってみると、色んなことが挙げられる。

メロディの良さであったり
身近に感じる歌詞であったり
素朴だけど芯のある歌声であったり。

でも一番凄いのが、これらが一つの歌という形になって、聴き手の耳と心に届いていることだと思う。

中でも「ラジオとスープ」は印象的だった。

透明感と清涼感。
パッと聴いたときにそれを感じさせつつも、聴いているとメロディと歌声に見せるのは少しの陰。

その陰に連れられるように歌詞の世界に浸ってみると、少しだけギクシャクした二人の関係が見えてくる。

何かがあった昨日と"ごめん"と思っている今日の朝。
でもその奥には信頼している二人の関係が見えていて、新しい朝に"雨が上がったみたいだね"という若干楽観的な言葉で二人の信頼の距離を見せるのがとても良い。

綴られた詩の世界観を、音色とメロディに重ねて、歌声が真っ直ぐ届けてくれる。
こういう純粋に良いと思える楽曲を聴かせてくれるのが彼らの魅力だ。

もちろんこういった楽曲だけでなく、「Listen Girl」のような心地よいグルーブ感のある楽曲であったり、浮遊感のある音色の中で大切な人を大切にしたいという強い決意を聴かせる「宇宙の風に乗って」であったり、聴かせ方は非常に多彩だ。

でも芯にあるものは変わらない。
メロディの良さの親近感のある言葉、そして温かみのある歌声。

探ってみると、ルーツが90年代にあるということで、この良さが生まれたことも納得だ。

ただ、そんな彼らなのだが、先日のワンマンライブ、そして明日10/14のライブを持って解散することが発表されている。

もっと早く知っておきたかったという無念さと、これだけの楽曲を残してくれたことへの感謝をここで伝えたい。

「信じ続けることで失うものなんて何もないよ」
Blueglueの最初で最後、そして最高のフルアルバムだったと。

ちなみに、下記リンクからそれぞれの楽曲が視聴できます。
ラジオとスープ
宇宙の風に乗って

posted by micarosu at 22:17| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月06日

「抑えきれない僕らのJ-POP」 サカノウエヨースケ

今回はサカノウエヨースケさんの「抑えきれない僕らのJ-POP」を紹介します。
サカノウエヨースケさんの1st書籍付きCD。

90年代のJ-POPのよう。
初めて聴いたときにそれを感じた。

煌びやかなポップ感。
耳馴染みの良いメロディ。

それらは自然と懐かしいという言葉を頭に過ぎらせた。

そうか。
この曲で伝えようとしているのは、J-POPへの愛と敬意、そして感謝なのだ。

特に"僕らは黄金のJ-POPを聴いて育った"の言葉とMVが象徴的なように、8cmCDの全盛期、90年代のJ-POPへの想いが溢れている。

歌詞に散りばめられた言葉にもその当時への想いが詰まっている。
このフレーズを聴いてこんなことしたなとか、ヒットチャートをカセットに録音したなど、青春の日々に隣にあった音楽の姿が真っ直ぐに伝わってくる。

ただこれは、聴いてくれる人の年代や過ごしてきた日々によっても感じ方は変わってくると思う。

懐かしさかもしれない。
新鮮さかもしれない。
90年代ってこんな良い曲があったのかという発見があるかもしれない。

サカノウエヨースケさんがこの歌で伝えたかった黄金のJ-POPへの回答。
それを自由に感じてみてほしい。

ちなみに、こちらで視聴できます。

posted by micarosu at 21:06| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月29日

「マクロスコピック自由論」 アンダーグラフ

今回はアンダーグラフの「マクロスコピック自由論」を紹介します。
「ファンと共にフルアルバム制作プロジェクト」により成立となったアンダーグラフのフルアルバム。

アンダーグラフが持つ引き出し。
その多さには、15年間いつも驚かされてきた。

近年の作品は少し優しさが前面に出ているものが多かったが、今作ではそういう楽曲も垣間見えつつ、デビュー初期のような陰と緊迫感あるような楽曲が多いのが特徴だ。

一曲目の「歳月」などはその最たるもの。

歪むようなギターの音色に、ベース、ドラムが小気味良く入るアンダーグラフらしい布陣。
これが最初から堪能できる時点でアルバムへの期待を一気に高めてくれる。

アルバムの中盤の「一輪の花」、「自由論」、「ナショナ・リズム」の流れなんかも同様の懐かしさを感じる。
アンダーグラフにはこういう楽曲のイメージを持っている人も多いと思うので、この流れを聴くと思わずニヤッとしてしまうだろう。

それとは対極とも言える日常感や優しさが出た楽曲も非常に心地よい。

「体温という言葉」、「見上げたら空より近くに」、「君が笑うために生きてる」。
タイトルを見ただけでも優しさが溢れているのだが、楽曲の雰囲気はもちろんのこと、僕と君の二人が歩みを進めていこうとする姿を描いた詩が何より愛おしい。

そしてもう一つ。
このアルバムの軸となっているのは壮大さだ。

ハンガリーブダペストのオーケストラの壮大なサウンドを入れた「翼‐road to 2020 Infiorata ver.-」や「まだ見ぬ世界を映しながら」のように音としての壮大さという点ももちろんあるのだが、どちからというと詩の壮大さが一つ聴きどころだ。

「翼‐road to 2020 Infiorata ver.-」は地球という星の生まれてから今に至るまでの時の流れから、今を生きる命の煌きを描くという壮大な内容。
名曲「ツバサ」とメロディは同じなのだが、新たに書き起こされた詩が乗ると、ここまでイメージが変わるものかと驚いた。

それに続く「鼓動」もかなり壮大だ。

生きている限りなり続けている鼓動というテーマから、幼い頃の想いや愛、生きていく意味などを哲学的に描いている感じがあり、特定の誰かではなく今を生きる全ての人に共通して響く想いと意味がここにはある。

「翼」ほど大きな話ではないのだが、全ての人に届く言葉を描くというのは壮大だなと思う。

このように日常感から壮大なテーマまで幅広く収録されているこのアルバム。

言い換えると、狭い視野から広い視野まで色んな視点で描れていて、ものの見方を変えれば見え方は変わってくるというのがアルバムの大きなテーマになっていることに気づくだろう。

これこそが「マクロスコピック自由論」。

アンダーグラフが辿り着いた一つの到達点であり、新たな始まりを予感させる名盤だ。

ちなみに、こちらでアルバムのディザーが視聴できます。

posted by micarosu at 22:38| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月23日

Moonlight J-POP 19年7月篇

今回はサブコンで発表した、2019年7月度のマイベスト10を紹介します。
ダウンロード

続きを読む
posted by micarosu at 23:33| Comment(0) | Moonlight J-POP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月22日

「その幕が上がる時」 ピロカルピン

今回はピロカルピンの「その幕が上がる時」を紹介します。
ピロカルピンの9枚目のオリジナルアルバム。

初期のピロカルピンのような雰囲気があるなと思った。

独特の空気感、松木さんの坦々としているようだけど真っ直ぐ響いてくる歌声、主張しすぎないけど存在感のある音。
「人生計画」、「人形の部屋」などはその最たるものだ。

もちろん、今のほうが音の作り方であったり、楽曲の魅せ方などは遥かに洗練されている。

そんな純粋な進化も楽しいのだが、楽曲ごとに見せる顔がかなり個性的で、かつ明確でることでも楽しませてくれる。

まさに幕が上がるような光を感じる「その幕が上がる時」に始まり、水が音圧で弾けるような重厚感ある音で聴かせる「雨の日の衝動」、優しい救済を感じさせる「キューピッド」も心地よい。

特に存在感があるのが最後の2曲。

御伽噺のような浮遊感ある「秘密」で聴かせる夢幻。
サビの4つ打ちのリズムが夢と現実の狭間を埋めてしまうような不思議な軽快感を響かせてくれるのは新鮮だ。

それ以上に最後の「夢十夜」が新鮮だ。

始まりから少し陰のある懐かしいリズムとビートで聴かせてくるので、かなり驚いた。
そして、その空気感から"全部夢だよ"で歌いだされたら、もう惹きこまれないほうがおかしい。

ただ、入り込んでしまったらそこから抜け出すのが難しい。
そのくらい現実を逃避という夢の世界が見えてくるのが寂しくもあり愛しいのだ。

メジャーでの活躍、自主レーベル設立を経ての今回のセルフプロデュース。

ピロカルピンらしさという点において、間違いなく今までで一番濃く出た作品だ。

それでいながら、新鮮な面も覗かせるなど、まだまだ進化は止まりそうにない。

「その幕が上がる時」という名のように、ここから新しいピロカルピンが始まりそうだ。

ちなみに、こちらから「人生計画」が視聴できます。

posted by micarosu at 21:57| Comment(0) | おすすめCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする